【翻字】
世中は 等閑 なくて いんぎんに 有べきことや しかるべからん

等閑なきといふは念比(ねんころ) なる心也なへての人 には念比に成と必ず うやまひの気うすく成(なり) 行(ゆき)侍る事つねの事也 晏平仲(あんへいちう)よく人と交(まじは)り 久(ひさしく)して敬すと孔子もほ め給ひし也曲礼に賢者(けんしやは) 狎而敬之(なれてけいす)といへりしにも 通ふべし友だちの交り にも有べき事なり しかるべからん道なる べし
【通釈】
世の中は、人と親しくしてしかも礼儀正しくするべきだというのが、望ましいであろう。
「等閑なき」というのは「親しい心」である。普通の人は、親しくなると、相手を敬う気持ちが薄れていきますのが一般です。「晏嬰は、人と善く交際して、ずいぶん経ってから相手を敬う」と、孔子も褒めなさった。『曲礼』に「賢者は狎れて敬す」とあるのにも通じるはずである。(これは)友達同志の交際においてもそうあるべき事である。(人として)望ましい道であるだろう。
【語釈】
・等閑なし…日ごろ非常に親しくしている。心安い。
・いんぎん…真心がこもっていて、礼儀正しいこと。
・ねんごろ…心がこもっているさま。また、親しいさま。
・なべて…ひととおり。あたりまえ。普通。「なくて」と読めるが意味が通じず、ひとまず「なへて」と読んでおく。
・晏平仲…晏嬰。紀元前六世紀の中国の齊の名宰相。晏子と尊称される。『論語』に「晏平仲は人と善く交はり、久しうして之を敬す」(公冶長篇)とある。
・曲礼…『礼記』中の一編。
・賢者狎而敬之…賢者は人に対して、親しくなっても敬を失わない。
・いんぎん…真心がこもっていて、礼儀正しいこと。
・ねんごろ…心がこもっているさま。また、親しいさま。
・なべて…ひととおり。あたりまえ。普通。「なくて」と読めるが意味が通じず、ひとまず「なへて」と読んでおく。
・晏平仲…晏嬰。紀元前六世紀の中国の齊の名宰相。晏子と尊称される。『論語』に「晏平仲は人と善く交はり、久しうして之を敬す」(公冶長篇)とある。
・曲礼…『礼記』中の一編。
・賢者狎而敬之…賢者は人に対して、親しくなっても敬を失わない。
【解説】
第三首目は「礼儀」の重要性について詠んでいると、注釈は説明しています。絵は、左手の傘を翳した貴族風の人に右手の人が地に両膝を突き背筋を伸ばし顔を上げて何か言っている姿を描いています。
