【翻字】
おもくせむものともしらず 世中に たやすげなるは きしやうせいもん

きしやうせいしの 事は神慮をおど ろかしたてまつり ちかふ事なれば きはめておもくせん 事なるを今は かりそめの事にも たやすく取あつかふ はいかにぞやととが めたるなり
【通釈】
重く考えて執り行うものとも知らずに、世の中でたやすげに行われているのは起請誓文である。
起請誓紙の事は、神の御心を驚かせ申し上げて執り行う事であるから、極めて重く考えて執り行う事であるのに、今はちょっとした事でも気軽に執り行っているのはいかがなものかと(この歌はそうした世間の風潮を)咎めているのである。
【語釈】
・起請・誓文・誓紙…神仏への誓いを記した文書。
・神慮…神のおぼしめし。神のみこころ。
・神慮…神のおぼしめし。神のみこころ。
【解説】
第三十五首目は、「神への起請は重く考え行う」ことの重要性について詠んでいると、注釈は説明しています。絵は、男女が座敷で対座し、女性が起請文らしい文書を手に持って見ている場面を描いています。二人の脇にもう一枚、同じような文書が置かれていて、起請文が二枚見えます。同じ場所に二枚あるということから、起請文が軽々しく扱われていることを示唆しているようです。








