【翻字】
世中に よき 友だちを持(もち)ぬるは 心にくゝも 見えにけるかな

諺にぬしとはんより 友をとへといへり益者 三友といふ心にもかなふ べし友とするにわろき もの七つ一に高くやんごと なき人二に年若き人三 に病なく身つよき人四 に酒をこのむ人五にた けくいさめる人六に空言(そらごと) いふ人七に欲ふかき人能(よき) 友三つあり一は物 くるゝ友二にはくすし 三には智恵ある人と 兼好もかきつたへたり おや兄弟にもかたり えぬかくろへごともし たしき友にこそ語(かたり) も又はいさめられも こそすれ
【通釈】
世の中に良い友を持っている人には、奥ゆかしく(魅力的に)見えることだなあ。
諺に「主問はんよりは友を問へ」と言う。「益者三友」という言葉の心にもかなうものであろう。「友とするのに良くないもの。一に身分の高い尊い人。二に年の若い人。三に病気しない健康な人。四に酒飲み。五に威勢のいい乱暴者。六に嘘つき。七に欲張り。良い友は三種。一に物をくれる人。二に医者。三に知恵のある人」と、兼好法師も書き伝えている。親兄弟にも語れない隠し事も、親友には語りもし、又諫められもするものである。
【語釈】
・益者三友…交際してためになる三種の友人のこと。『論語』季氏篇に見える言葉。「友直。友諒。友多聞。益矣」。正直な人、誠実な人、博識な人の三種の友人。
・ぬしとはんより友をとへ…不詳。「その子を知らざればその友を視よ(『荀子』「性悪篇」」「人はつきあっている友によって分かる」という意。
・かくろへごと…「隠し事」の意か。「かくらふ」は「繰り返し隠れる」。
・兼好も書き伝えたり…『徒然草』百十七段に見える。
・ぬしとはんより友をとへ…不詳。「その子を知らざればその友を視よ(『荀子』「性悪篇」」「人はつきあっている友によって分かる」という意。
・かくろへごと…「隠し事」の意か。「かくらふ」は「繰り返し隠れる」。
・兼好も書き伝えたり…『徒然草』百十七段に見える。
【解説】
第八首目は「良い友を持つと魅力的に見える」と詠んでいると、注釈は説明しています。絵は、水辺で四人の男性が酒宴を開いている様子を描いています。一人は酒宴の主人らしく、膳や銚子が前にあり、胡坐をしています。他の三人は正座のようで、坊主頭の者と横の男は手に扇子を持っています。友人仲間の酒宴ではなく、一人の旦那に三人の取り巻きが侍っているように見え、歌の趣旨と合っていないようです。








