描図法
描図に必要なる器具は、定木・尺・鉛筆及び料紙とす。其他顔料を用ゆることあれども、微密なる彩色図は却て用なし。
描図を教ふる順序、左の如し。
基罫 精密に基罫の製作方を説くべし。
符点 基罫上に符点を記し、点と点とを結合して形状の大体を知らしむべし。
外周 岬崎・港湾・島嶼及び外囲の山脈等を説きて、其外周を記すべし。
内部 山の位する所、河の趣く所等を説きて之を記せしめ、而る後、都邑の位置、政治上の区画等を図せしむべし。
伊勢国を図する法
1234なる長方形の外線を画すべし。
適宜の寸法を以て縦横線を長方形内に画す。是れ基罫なり。
基罫中、イ・ロの両点を結合すべし。是れ西境なり。イ・ハを結合すれば北境なり。ハ・ニ・ホを結合すれば内海に面する部分なり。ホ・ヘを結合すれば志摩の国境をなし、ヘ・トを結合すれば外洋に浜する面、ト・ロを結合すれば牟婁の境をなす。
次にイ・ロの線を目標として、西境を図するに曲線を以てすべし。其他の諸境これに従ふ。
左に挙ぐる山岳を画きて、他山岳の位置を定むる元標とす。
三国岳(一) 加太山(二) 高見山(三) 大台原山(四)
川流・池沼を画くには、左の諸川を目標とすべし。
町屋川(1) 三重川(2) 鈴鹿川(3) 安濃川(4)
雲出川(5) 櫛田川(6) 宮川(7)
雲出川(5) 櫛田川(6) 宮川(7)
左の都邑を目標として他の都邑を記すべし。
桑名(い) 四日市(ろ) 白子(は) 津(に) 松坂(ほ) 宇治山田(へ)
各郡界は山川の配置に従ひて之を画くべし。
此他の諸国の描図法は右に準ず。今其の外囲線と目標とすべき物件の符点を記して教授者の参按に供す。教授者自ら工夫して、更に軽便なる描図方を用ゐんことは編者の切に希望する所なり。


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