【熱帯】二至線の間を熱帯の地と言ふ。此の地方は日光常に直射する故に、季候常に暖熱にして、椰樹・梹榔等の草木至る処に繁茂し、虎・豹・毒蛇の類甚だ多く、人民は衣服を著けずして其の皮膚黒色をなせり。

挿絵016R

【温帯】至線と極圏との間を温帯と言ふ。故に温帯は南北両帯あり。寒温其の中を得て四季の別あり。人生必要の五穀・植物能く熟し、牛・馬・家禽等有用の動物を産す。吾人の住居する所は即ち温帯中にあり。
[熱帯中は尽く同熱にあらず。温帯中尽く同温にあらざるなり。何となれば、土地の高低・山脈の勢・水陸の形勢により、其の熱度に差異を生ずればなり。]

挿絵016L

【寒帯】極圏より以北或は以南を寒帯と言ふ。寒帯は日光常に斜射するを以て其の季候甚だ寒く、細小なる灌木・苔蘚の外、植物を生ぜず。白熊・海豹等数種の外、動物を生ぜず。常に氷雪を以て充つ。

挿絵017R

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