【区画】
国内を桑名・員弁・朝明・三重・河曲・鈴鹿・奄芸・安濃・一志・飯高・飯野・多気・度会の十三郡に分てり。郡中、村邑千二百二十、戸数十二万九千三百、人口六十一万二千、田圃八万二千百五十町あり。
【都邑】
(一)【津】津は安濃郡岩田川の河口にありて、藤堂氏の旧城下なり。初め安濃津と称す。後世略して津と言ふ。此の地、古は海浜にして船舶碇泊の一場たり。是、津の名ある所以なり。城堡は弘治年中伊豆守細野藤充の築く所。慶長中藤堂高虎此に封ぜらる。維新以前まで之を世襲す。今の城堡、是なり。市街繁華にして巨商軒を並べ、四方の貨物皆此の地に萃る。人口二万五千余。三重県庁・裁判所・郡役所・尋常師範学校・中学校・病院・郵便電信局・公園等ありて、県内第一の都会なり。

挿絵043

{津の東頭に贄崎港あり。船舶常に輻湊す。波止場に竿灯を設け船舶の目標とす。}
{公園は県庁の西北にあり。旧と藤堂氏の山荘たりし所にして山海の風景に富めり。此の地に高山神社及び三重県物産陳列場あり。}
{八幡町に結城神社あり。忠臣結城宗弘を祀る。諸人の尊崇・仰慕する処にして、明治十五年一月特旨を以て社格を進め、別格官幣社に列せらる。}
{大門町に慧日山観音寺あり。夏時諸人群集の地なり。本尊は寺記に 元明天皇和銅二年二月朔日、安濃浦にて漁夫の網にかかり出現すと言ふ。}

挿絵044

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