連合艦隊の最後

伊藤正徳著 1956年 文芸春秋新社刊

目  次


第一章 艦隊成るまで
 1 連合艦隊への郷愁  「不沈戦艦」の秘密建造  建艦すれども戦争せぬ
 2 対米戦争の勝算?  世界に誇つた大造艦技術  その名高し“無敵艦隊”
 3 “精鋭”潜水艦隊帰らず  超大空母「信濃」の悲劇

第二章 真珠湾の回想
 1 世界的の大奇襲  大奇襲着想の由来  見事なる攻撃
 2 特殊潜航艇の参戦  戦略的に失つた説

第三章 順風満帆の緒戦
 1 マレー沖海戦に至る  海空軍の驚異的戦果
 2 スラバヤ以下の海戦  珊瑚海の戦術勝

第四章 ミッドウェー海戦
 1 太平洋戦争の敗因第一号  “長期戦の自信なし”  連合艦隊の全力出撃
 2 暗号は読まれていた  将帥に心の驕りあり

第五章 ソロモン消耗戦
 1 ガダルカナル奇襲上陸  連日海戦、実に百余回  太平洋の旅順口
 2 一勝一敗一引分け  “円タク駆逐艦”で救援  潜水艦も運送に専心  驚くべき航空消耗戦
 3 攻勢終末点の超越  艦隊決戦のない戦争  東京進攻の二つの道

第六章 マリアナ海戦
 1 第一機動艦隊への期待  決戦用の基地空軍  決戦場の予想を誤る
 2 敵の物量を討つ  祝盃用意の出撃!  密雲日本を閉す
 3 新式旗艦「大鳳」沈む  敗戦の跡を顧みて

第七章 レイテ海戦
 1 所謂「艦隊の殴り込み」  落ちて行く「平家」の如く  戦意は「源氏」の如く
 2 リンガ泊地の猛訓練  真ッ裸の艦隊  作戦の不満、全軍を掩う
 3 長官、艦隊の不満諭す  大艦隊の威容あり  主力艦を狙い襲う
 4 戦艦「武蔵」の最後  栗田長官の進撃断念?  再転進撃を決行
 5 西村中将死地に赴く  レイテ湾頭に消ゆ  継子の艦隊出現す
 6 惨敗を目的とした艦隊  武者振いする「いけにえ」  敵は囮へ襲いかかつた
 7 水平線上敵艦見ゆ  サマール沖の一戦  史上ナゾの大事件
 8 カラ船と心中は御免  機動部隊を血祭に  敵機動部隊を捜し回る
 9 九死一生を限度とす  栗田長官自身に聞く  満身創痍、基地に帰る
 10 サマール沖海戦の批判  米提督は今なお争う
 11 レイテ戦完敗の跡  神風特攻間に合わず

第八章 二つの特攻作戦
 1 菊水作戦の決行  決死出撃の前夜  第二艦隊僅か十隻
 2 「大和」遂に沈む  特攻の犠牲二、一九八名  昭和二十年は特攻の年
 3 世界無類の日本の魚雷  人間魚雷「回天」の出撃  原爆搭載艦を屠る

第九章 結論(その一)
 1 連合艦隊、陸に上る  旗艦陣頭主義の是非  戦場近く指揮を執れ
 2 米の長官は陸に住む  世界一流の海軍興る  十万トンの大戦艦
 3 大海軍遂に亡ぶ  一将功不成、万骨枯る

第十章 結論(その二)
 1 残つた軍艦と其の運命  如何に敵を沈めたか  開戦と海軍の立場
 2 海軍の明言回避の事情  陛下も海軍に頼らる  斯くて自ら亡ぶ


凡  例

  1:底本は『連合艦隊の最後』(伊藤正徳著 1960年 第29刷)です。
  2:底本の仮名遣い・踊り字はそのままとし、旧漢字は基本、現在通用の漢字に改めました。
  3:横棒は「一(漢数字)」との区別を明確にするために「――」「~」「:」に変更しました。
  4:テキスト入力の都合上、引用符は全て「“」「”」に変更しました。
  5:挿絵・図はサイズを統一して載せましたが、写真は全て割愛しました。
  6:校訂者による注は《注:》で示しました。
  7:底本は、改行後の行頭の一字下げの不統一の他、現代から見て違和感のある表現・用字が少なくありません。それらすべてに《注:》を施してはいないことをお含み置き下さい。