新講談 壺阪霊験記 『沢市お里の実伝』
講演 旭堂南陵  速記 浪上義三郎

WEB目次

 一 
概要 観世音とは 洪水 新六、お里を助ける お里父子、礼に来る
 二 
七之助、お里に恋慕 中川、縁談の橋渡しに立つ
 三 
お里、縁談を断る お里と新六の祝言 新六、鍼医沢市となる お里、新六の眼病治療を志す
 四 
お里、伝九郎に騙される 七之助と伝九郎の悪計 偽の証文 お里と沢市の別れ
 五 
お里、駕籠で高木の屋敷へ 伝九郎、お里を折檻 佐平次、お里を逃がす
 六 
お里、江戸屋へ駆け込む 江戸金、お里を隠す 伝九郎と中川、江戸屋に乗り込む
 七 
伝九郎と中川、江戸屋で袋叩きに 伝九郎、お里の居所を知る お里、再びさらわれる
 八 
伝九郎、七之助を裏切る 伝九郎と駕舁の争い 江戸金、お里を救い出す
 九 
郡奉行の捜査 七之助、郡奉行に賄賂 楊震四知の戒め 郡奉行の廉潔と知略
 十 
七之助と中川、断罪される 沢市、療治を断念 塙保己一の事 七之助と中川の争い
十一
伝九郎の悪計 按摩の広告 六地蔵での争闘 七之助の死 江戸金の深手
十二
中川の死 江戸金の死 お里の墓参 沢市の歎き お里の発願
十三
観世音の御利益 壺阪寺縁起 お里の夜詣り 沢市の疑念
十四
沢市の詰問 勘太真実を語る お里沢市の壺阪詣 沢市の投身 伝九郎の出現
十五
お里の投身 伝九郎の死 観世音の顕現 沢市の開眼 盲人の笑話 大団円


はしがき

夢が浮世と悟って見てもまた涙。鳥の声鐘の音さえ身に沁みて、ほろりと寂しい盲目(めしい)の夫に、命懸けての貞節は、いつか花咲く花の色もはっきりと、見えるぞ見えるぞ菩薩の大慈悲。泣いて聞いた鳥の声も鐘の音も冴え冴えと、過ぎて想うあの時の事この時の事。辛かった沢市夫婦が長物語をすっかりと打ち明けて、南陵ぬしがここに講ずる。今さら面白さのいかがいうまでもなや。
  四十三年中の秋       あかつき述


凡 例

  1:底本は「新講談 壺阪霊験記 沢市お里の実伝」(1910年 国華堂刊(国会図書館デジタルコレクション))です。
  2:底本の歴史的旧仮名遣いはすべて現代仮名遣いに直しました。
  3:底本の旧漢字とひらがなの踊り字はすべて現在通用の漢字とかなに改めました。
  4:底本のカタカナと踊り字はそのままとし、ふりがなは適宜加除しました。
  5:底本の句読点は適宜加除し、改行、改段落も校訂者の判断で行いました。
  6:2~5は、読みやすくするとともに、口演筆記の特徴も残すことを意図したものです。
  7:WEB目次の漢数字は底本のままですが、下段の内容梗概は校訂者によるものです。
  8:底本には誤記誤植が多くあります。明らかな誤りは訂正しました。カギ括弧やふりがなの乱れ等を除き、校訂者による訂正箇所は{*}で示し、詳細は各章最下段に示しました。
  9:現在では差別的とされる表現も、原典を尊重し一切変更を加えていません。ご了承願いますとともに、取り扱いには十分ご留意願います。

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