【九】
郡奉行の捜査 七之助と中川、郡奉行に賄賂 楊震四知の戒め 郡奉行の廉潔と知略)

 沢市の妻お里は、危(あやう)い所を何者とも知らぬ男に引き伴(つ)れられ、「善か。悪か。」と胸の鼓動は高まるばかり。一二町参りますと、小手の縛めを解き、猿轡を取って、
男『お里さん。危なかったナ。』
言われてお里が星明りに其の人の面(おもて)を見て、
さと『オー。あなたは江戸屋の親分。』
金『東陽寺の良全さんが来て、お前が伝九郎に引っさらわれたと聞いたから、確かに伴(つ)れ込まれた先は高木の住居(すまい)と思い、殊に寄ったら血を見るつもりで助けに行(ゆ)く途中、アノ地蔵堂の前で、駕夫(かごや)を相手に伝九郎の争論(いさかい)。それを幸いにお前を助け出した。さぞつらい事であったろう。しかし是からはモー大丈夫だ。俺が付いて居(い)るから安心しなさい。』
さと『いつに変らぬ親分の御親切、有難う存じます。』
金『サア、一緒にお出(い)で。』
 お里の手を取って我が家(や)を指して引っ返す。途中、伝九郎なぞに見られては面倒と、畠の中を通って二三町来ると、向うの方から提灯を点(つ)けて八九人、此方(こっち)を指して来るものがある。見附けられては面倒と、桑の枯れ木の後ろへ身を隠す。近寄るままに見ると、自分の子分。勘太が先立ちで以上八人。長脇差を腰に、足拵えも厳重に致して、此方(こなた)を指して参ります。
金『待て。勘太じゃアねエか。』
勘『コレワ親分。オヤ、お里さんも一緒ですか。ヤイ、みんな。親分は無事だぞ。』
〇『親分。御怪我が無くって御芽出度うございます。みんな見ろ。大層なものだナ、親分は{*1}。少なくとも刀の七八本はあるだろう。其の高木の邸(やしき)へ一人で行(ゆ)き、お里さんを連れ出して、一ケ所も怪我の無(ね)えのは恐れ入ったものだ。』
金{*2}『イヤ。俺は高木へ行かなかった。』
△『ヘエー。高木へ御出(い)でなさらねエで。それじゃア怪我をしねえ訳だ。それにしても、どうしてお里さんを助け出しました。』
金『是には深い仔細がある。帰(けえ)ってからゆっくり話すとしよう。それに就いて、汝(てめえ)達は何だって今頃、大勢揃ってどこへ行(ゆ)く。』
〇『どこへ此の深更(よふけ)に行(ゆ)きましょう。勘太兄イから聞きましたが、弱い奴でも相手は侍。それに蝮の伝九郎も居りますし、親分の身に万一の事があっては大事。御邪魔になるか知れませんが、助太刀に出かけるつもりで此所(ここ)まで参りました。』
金『そうか。そりゃア有難エ。もつべき者は子分だ。しかし、お里さんが無事にこうして復(かえ)った上は、是から高木へ暴れ込むにも及ぶめエから、一緒に帰ってくれ。』
勘『折角支度してコヽまで来たのですから、此の儘帰(けえ)るも智恵がございません。どうか親分、高木の所へ遣っておくんなさい。こういう時だ。日頃習った腕前を現わすは。高木の主人(あるじ)は言うも更(さら)、伝九郎を始めとして、片ッぱしから斬っ払い……』
金『生意気な事を言うナ。帰(けえ)れと言ったら帰(けえ)れ。』
勘『帰るなら御帰ンなさい。俺(わっし)は帰(けえ)らねえ。』
金『執拗(ごうじょう)な奴だ。』
と、勘太の頭をポカリと撲(う)つと、「ガーン。」という音がする。
金『オー、痛エ。恐ろしい堅(かて)エ頭だナ。』
勘『今夜の喧嘩はあぶねえと思って、兜の代わりに鍋をかぶって来ました。』
 是は堅い訳だ。
金『一緒におとなしく帰れ(けえ)。』
勘『ヘエ。』
金『お里さんが疲れて居(い)るだろう。背負(おぶ)って行ってやれ。』
勘『宜(よろ)しゅうがす。お里さん、俺(わっし)が背負(しょ)って行って上げましょう……何も遠慮には及びませんヨ。』
 勘太はお里を背負(しょ)って、親分金兵衛を先に立て、一同無事に引き揚げて来る。
 御話は別れて此方(こちら)は高木七之助。伝九郎の為に毒酒を飲ませられ、一時は口も利けず、手足も自由にならず、夢のような心持ちで居た。スルト若党の佐平次が、坐敷が静かになったので、そっと自分の部屋から来て見ると、此の始末。
佐『若旦那。気を慥かに御もちなさい。どうなすったので。オヤ、中川さん。あなたも同じように……どうなさいました。』
 佐平次が二人を抱き起こし、顔へ水を吹っかけ介抱したが、中々気が付かない。
佐『もし。伝九郎親分。ちょっと来て下さい。』
と呼んだが、是はここに居(い)べき訳もない。「表に見張りをして居(い)る人をよんで来よう。」と出て来てみると、五六人、一ツ処へかたまって、是も打ち倒れて、蟹のように口から泡を吹いてうなって居(い)る。佐平次は益々驚き、下婢(じょちゅう)を起こして医者を迎えにやる。山田了竹という筍先生が、早々高木の処へ参りまして、気附けを与え介抱した。
佐『山田先生。病気は何でございましょう。』
山『さようさ。中毒(ものあたり)のような所も見えるし、時候あたりのような処もあり、胸痞(しゃく)のようなところも見えるし、何にしても病気には違いない。』
佐『癒(なお)りましょうか。』
山『さようさ。癒(なお)らないとも言えないが、と言って、癒(なお)るとも言えない。』
 コンナ心細い医師(いしゃ)に出会っては堪らない。暫くたつと、七之助に中川が正気に復(かえ)る。続いて表に倒れて居た人々も気が付いた。段々調べて見ると、伝九郎夫婦の悪計に罹った事。七之助始め一同は、残念に心得ましたけれども仕方がない。是が公然(おもてむき)に成っては身分に関わるので、堅く他言を禁じて、其の儘泣き寝入りとなった。処が、江戸屋金兵衛も「成るべく公然(おもてむき)にしたくない。」と、是も子分の他言を禁じて、東陽寺へも此の事を申し送って、お里は自分の家に置いて世話をする事になる。
 しかるに、此の騒動のあった翌朝、「地蔵堂の前に女が一人と駕夫(かごかき)が一人、以上両人(ふたり)死んで居(い)る。」という届が村役人より郡奉行へ出ました。ソコデ検死が下りて被害者を調べると、女は高取の町に居た伝九郎の女房おかめ、男は駕夫(かごや)である。すぐに伝九郎の住居(すまい)へ出張して取り調べたが、居ない。ここに於いて考えたは、「是は、此の駕夫(かごや)とおかめが姦通した事が知れて、伝九郎が此処へ引き出して殺したものだ。」と察した。それにしては、おかめは脳天を打たれて死して居(い)るに、駕夫(かごかき)は肩を深く斬られて絶命して居(い)る。是が判らない。尚、郡奉行の手で段々調べると、沢市の妻お里の一件が知れた。ソコデ、郡奉行の山本軍太夫が江戸屋金兵衛を呼び出した。
 すぐに白洲へ通して。
山『金兵衛。其の方は、土佐町の盲人沢市の妻里を世話いたし居(お)るよし。右はいかなる仔細か申し上げろ。』
金『沢市は日頃懇意でございまするし、それに当時大阪へ沢市は眼病の療治に参って居ります。不在中お里を預かりましてございます。』
と言ったは、「此の事を明白に申し立てれば、高木の身分にも関する。七之助は心得違いであるが、阿父さんの七兵衛は蔵奉行を勤めて家中の評判のよい人。それには自分も植村家の人入れをして、大勢の子分も養って居(い)るのだから、なるべく穏便に済ませたい。」という処から、こういう答弁をした。
山『しからば、「沢市が大阪療用中、妻の里を世話いたし居(お)る。」と言うか。』
金『ヘエ。さようでございます。』
山『金兵衛。偽りを申すな。盲人の沢市が大阪へ参れば、其の介抱人として妻里も参るべきではないか。しかるに沢市一人にて大阪へ参り、妻は残り居(い)るとは一向合点が参らん。是には何か深き仔細がある事と思う。金兵衛。其の方は中々義心あるものだとか承るが、なまじ侠気(おとこぎ)を出して、却って上(かみ)へ手数(てかず)を掛け、従って其の方も災難に遭う事がある。心得違いを致すなヨ。明白(ありてえ)に申し上げたが宜(よろ)しかろう。どうじゃ。』
金『ヘエ。恐れ入りました。此の事は御身分のございます御方に糸が付いて居りますので、一時偽りを申し上げましたが、御理解に従い、残らず申し上げます。』
と、ココデ金兵衛が前回に御話しした始末を詳しく申し立てる。郡奉行の山本軍太夫も意外に思いました。まさか高木七之助がコンナ事に関係があるとは夢にも知らなかった。ここに於いて、其の日は金兵衛をさげて、翌日高木七之助及び中川幸之助へ召喚状(さしがみ)を着けました。
 悪事をした、身に暗い処があるから、召喚状(さしがみ)を見ると、ギョッとした。
七『何で俺を喚(よ)び出すのであろう。まさかにアノ一件が知れたのでもあるまい。』
しきりに心配して居ります処へ、若党の佐平次が、
佐『若旦那。中川様が御見えになりました。』
七『中川が来た。すぐコヽへ通してくれ。』
幸『御免を。』
七『イヤ、中川。宜(よ)い処へ来て下すった。実は今御宅へ伺おうと思って居りましたが{*3}。』
幸『大方、郡奉行の召喚状(さしがみ)でござろう。』
七『其の事でござるが、どうして御存じであるか。』
幸『拙者方(がた)へも召喚状(さしがみ)が付きました。』
七『イヤ、貴公へも……して見ると、お里の一件が知れたかナ。』
幸『ちょっと承ったが、江戸屋が郡奉行役宅へ喚(よ)び出されたとか。そうして見ると、無論お里の一件でござろう。』
七『それは一大事。是が公然(おもてむき)になったら、どうなるであろう。』
幸『さよう……。』
七『拙者の考えでは、まず親父は御役御免の上に閉門。貴公は永の御暇。拙者はまだ部屋住みであるから、蟄居謹慎を仰せ付けられる位であろう。』
幸『イヤ。あなたの方は軽々(かるかる)済みましょうが、拙者の永の暇は甚だ情けない。何とか此の事を揉み消すような御工夫はござるまいか。』
七『俺(わし)もそうは考えて居(お)るが。』
幸『どうでございます、郡奉行の山本へ鉄砲を用いては。』
七『鉄砲を用いるとは{*4}。』
幸『袖の下を用いるのです{*5}。賄賂を用いるので{*6}。苞且(まいない)を贈ったら宜(よろ)しかろうと思いますが。』
七『苞且(まいない)……受け取るかしら。』
幸『受け取らぬ事はございません。それは金を直接(じか)に持って行っては、先方(むこう)も身分がございますから、急には受け取りますまいが、菓子折りの中へ金を敷いて持ち込んだなら、受け取るでございましょう。』
七『何程位が相場であろう。』
幸『賄賂には相場はございますまい。』
七『マア、いくら贈ってよろしいか。』
幸『五十両も遣ったらば、宜(よ)うございましょう。』
七『五十両。宜(よ)ろしい。贈るといたそう。ソコデ、拙者が二十五両差し出すから、貴公が二十五両出して貰いたい。合(がっ)して五十両として。』
幸『それは御免を蒙ります。此の事たるや、つまりあなたがお里に惚れて、無理な事をしたので出来た騒動。シテ見れば、其の罪はあなたにある。しからば、すべて入用(にゅうよう)はあなたが差し出すべきものである。拙者に出せと言うは、筋が違う。』
七『けれども是が公然(おもてむき)になれば、貴公の身にもかかわるのだから。』
幸『其の私の身にかかわる事の出来たのも、原因(もと)はといえばあなたより出た事。いよいよ一人で五十両は出せぬとあらば、拙者も決心いたしました。』
七『決心とは。』
幸『是から郡奉行の役宅へ参って、今までの始末を残らずしゃべり、なるべく拙者の罪を軽くいたします。』
七『それは困る。しからば入用(にゅうよう)は拙者が差し出す。』
と、五十両泣く泣く出した。それを菓子折りの中へ入れて、其の夜(よ)両人(ふたり)打ち揃って郡奉行山本軍太夫の元へ参りました。
 只今では御役人方は清廉潔白。玉の如きえらい方ばかりでございますから、賄賂を取るなぞという、怪しからん不都合な奴はございません。徳川時代には往々ございました。是を「役得」と称(とな)えまして、公然の秘密としてありました。
 後漢の安帝といえる天子様に仕えた楊震という人に、王密と申す者が金を十斤持って参り{*7}、それを贈って「引き立てて貰いたい。出世をするように御取り成しを願う。」と頼んだ時に、楊震が、
楊『俺(わし)はお前を知って居(い)るが、お前は俺(わし)を知らぬと見える。困るではないか。かような物を持って参って。之が知れたらどうする。』
王『知れる心配はない。此の通り、深夜(よふけ)にそっと忍んで参ったのだ。知る者はあるまい。』
楊『イヤ、そうでない。お前は「知らぬ。」と言うが、天は知って居(い)る。又、鬼神(かみ)も知って居(い)る。ソコデ、我も知って居(い)れば、贈るお前も知って居(い)る。天知る、神(しん)知る、我知る、子(し)知る。「知れぬ。」と言うは、大いに違う。』
と言われて、王密は一言もない。是を「楊震四知(ち)の戒め」と謂う。
 植村家の郡奉行山本軍太夫は、比較的廉潔の人でございました。
山『誰か参ったか。』
〇『高木の御(お)子息に中川様が御見えでございます。』
山『何で来た。』
〇『「是非御面会をいたしたい。」と申し居ります。就いては、わざと「之を御覧に入れる。」と申して……{*8}。』
と、取り出(い)だしたのが菓子折り。中には五十両入って居(お)る。
山『さようか。コレコレ、川村。』
川『ハッ。』
山『今拙者が彼らに会って、こういう風に問いかけるから、貴様は次で彼等の申す事を一々記して置け。』
川『ハイ。ちょっと御菓子を御覧遊ばして。』
山『見ないでも判って居(お)る。黄金煎餅であろう。兎角役人は此の菓子を好んでいかん。貴様なぞも好物であろう。』
川『どう致しまして。』
山『二人を奥へ通して置け。』
 下役(したやく)の川村文平に万事申し付ける。
 やがて山本軍太夫は高木七之助と中川幸之助の扣(ひか)えて居(お)る所へ参りまして、
山『是は是は。よく御出(い)でに相成った。只今は又結構なる品を贈られ、忝い。折角の御志。兎も角、御預かり申して置く。』
 両人(ふたり)は内心大喜び。「アノ菓子折りが無事に納まるようでは大丈夫。今度の一件は穏便に済むであろう。」と思って居(い)た。其の時、軍太夫が、
山『何の御用で御出(い)でになったか。』
七『実は、承る処によりますと、アノ土佐町に居ります盲人の沢市の妻お里の事に就いて、御取り調べ中であるとか。』
山『さよう。先日六地蔵に男女(なんにょ)の死体がござって、それを段々取り調べて参った処、此の事に就いては御身や中川も関係(たずさわ)り居(お)るとか承知いたしたが。』
七『ハイ。』
山『何という、御身は不都合な事をなされたのだ。是が為に御父上の御名前まで出るでは無いか。平常(へいぜい)拙者と御身の御父上とは無二の間柄。御為悪(あ)しくは図らんが、他(た)に美人のないではなし、お里一人のみを慕われるとは、どういう因縁か。』
七『赤面の至りでございます。実は彼女(かれ)を妻にもらい受けんと存じて、此所(これ)に居(お)る中川を以ていろいろ談じましたが、飽く迄不承知を申し張ります故、武士の意地、ついこういう無法な事をいたしましたが、只今に至って大いに後悔仕りました。どうぞ公然(おもてむき)明日(みょうにち)御吟味になりましたならば、ちょっと御手加減を願いたいと存じまして。』
山『委細、相判った。何か聞く処に依れば、伝九郎と申す悪漢(わるもの)を頼んで、お里を拐帯(かどわか)したとか申すが、何事も今日(こんにち)は隠さずに言われるが宜(よ)い。手心を用(もち)いるにも、事情(ことがら)を詳しく知らんと、真(まことに)取り計らいにくい{*9}。』
七『しからば申し上げます。』
と、今迄の始末をベラベラ喋(しゃべ)ってしまった。一所になって中川幸之助が之も喋る。それを、次の室(しつ)に置いた川村文平が、残らず筆記した。高木に中川は、そんな事とは夢にも知らない。「折が納まった上は安心。」と、二人は山本方を辞して表へ出る。
七『イヤ、是で安心だ。』
 少しも安心ではない。コンナ不安心な事はございません。
 翌日は時刻違わず、郡奉行山本軍太夫の役宅へ、高木七之助・中川幸之助・江戸屋金兵衛・沢市妻お里も出る。呼び込みに従い、白洲へ通りますと、正面一段高き所に山本軍太夫。傍には書き役両人。其の下には吟味役。高木七之助に中川は、武士であるから縁側に扣(ひか)える。其の他は白洲。砂利の上に平伏いたして居ります。
 其の時に山本軍太夫、
山『高木七之助。中川幸之助。表を挙げイ。』
七『ハッ。』
山『あの白洲に扣(ひか)え居(お)る人々を存じ居(お)るか。』
七『江戸屋は屋敷へ出入りの者でございます故、存じ居(お)ります。女子(おなご)は一向存じません。』
山『知らぬ事はあるまい。アレワ土佐町に住し居(お)る盲人沢市の妻里であるぞ。其の方、彼女(かれ)に恋慕いたし、それなる中川並びに悪漢伝九郎へ相頼み、暴力を以て里を引き出(い)だし、不都合にも夫ある者を手込めに為さんといたしたる段、証拠あって取り調べる。明白に白状いたせ。』
 意外の調べに二人は顔を見合せた。「此の容子では、賄賂が利かないのか。」と、驚いて居ります。

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校訂者注
 1:底本は「大層(たいそう)たものだナ」。誤植と見て訂正。
 2:底本は「伝『イヤ俺(おれ)は」。誤植と見て訂正。
 3:底本は「御宅(おたく)へ伺(うかゞ)ふと思(おも)つて」。一字欠字と見て補った。
 4~6、9:底本はすべて「用(もち)える」。読みやすくする意図で修正。
 7:底本は「揚震(やうしん)と言(い)ふ人(ひと)と」。文中全て「揚震」であり、誤字誤植と見て全て訂正。また「と」は、読みやすくする意図で修正。
 8:底本は「就(つい)てはわざつと」。「つ」は衍字と見て消去。