【翻字】
世中にいはれ有をも 知らずして なんいふ事は れうじ成けり

おのれ少しき器な るをしらず管見に まかせて人のなし 置たる事の故実 ありともしらでとや かくもときいふは 浅はかなる小人の くせなり何事も 人にへりくたりて 問尋するにはしかず
【通釈】
世の中で、由緒があるのも知らないで難癖を付けるのは不見識である。
自分の器の小さい事も知らずに、狭い了見から人のした事が理由のある事であるとも知らずにとやかく非難し従わないのは、浅はかなつまらない人の癖である。何事も謙虚に、人に尋ねるのが良い。
【語釈】
・いわれ…物事が起こったわけ。理由。由緒。来歴。
・聊爾…いいかげんであること。考えのないこと。
・難…非難すべき点。難点。
・管見…狭い見識。視野の狭い考え方。
・もどく…さからって非難する。また、従わないでそむく。
・聊爾…いいかげんであること。考えのないこと。
・難…非難すべき点。難点。
・管見…狭い見識。視野の狭い考え方。
・もどく…さからって非難する。また、従わないでそむく。
【解説】
第五十二首目は、「何事も謙虚に人に尋ねる」ことの重要性について詠んでいると、注釈は説明しています。絵は、祠か何かを指さして同輩らしい人に話している侍風の男性が描かれています。祠の由緒を尋ねられて説明しているのか、それとも知らずにただいい加減な事を言っているのか、そのような想像が心に浮かびます。
