【翻字】
天照(あまてら)す神のをしへを そむかずは 人は世中 富貴(ふつき)繁盛

吾(わが)神道のをしへ 中道正直の外に 出ず神は垂(たる)るに 祈祷をもつて本(もと) とし冥加は正直 をもつて先(さき)とすと の神勅いやちこ なればその正直の 御をしへを守る人 はをのづから天照(あまてる) 神(かみ)のめぐみにかなひ 豊(とよ)さかのぼりにとみ さかへ侍らん事なれ ばたれもたれも広大 の恩光をわする べからざる事也
【通釈】
天に光り輝いておいでになる神の教えに背かないならば、人はこの世で富み貴くなり、繁盛する。
我が国の神道の教えは、極端に偏らず、正直であれという事の外に出るものではない。「神は、祈祷する事によりその神威を現し示すのが本来であり、神の恩恵は正直な者に授けられるのが第一である」という神のお告げは霊験あらたかであるから、その「正直であれ」という教えを守る人は、自然と天照大神のお恵みにかない、朝日が美しく輝き昇るように富み栄えますから、誰も皆神の広大なお恵みを忘れてはならない事である。
【語釈】
・天照す…天に光り輝いておいでになる。
・天照す神…天照大神。日本神話における高天原の主神。皇室の祖神として伊勢神宮の内宮に祭られている。
・中道…仏教における、相対立する極端な概念・姿勢に偏らない実践や認識のあり方。
・垂る…現し示す。
・冥加…気がつかないうちに授かっている神仏の加護・恩恵。
・神勅…神のお告げ。神の命令。『倭姫命世記』雄略天皇二十三年二月の記事に見える言葉「神垂以祈祷為先、冥加以正直以本」。
・いやちこ…神仏の利益や霊験などのあらたかなさま。
・とよさかのぼり…朝日が美しく輝いてのぼること。
・恩光…君主の広大な恵み。君恩。
・天照す神…天照大神。日本神話における高天原の主神。皇室の祖神として伊勢神宮の内宮に祭られている。
・中道…仏教における、相対立する極端な概念・姿勢に偏らない実践や認識のあり方。
・垂る…現し示す。
・冥加…気がつかないうちに授かっている神仏の加護・恩恵。
・神勅…神のお告げ。神の命令。『倭姫命世記』雄略天皇二十三年二月の記事に見える言葉「神垂以祈祷為先、冥加以正直以本」。
・いやちこ…神仏の利益や霊験などのあらたかなさま。
・とよさかのぼり…朝日が美しく輝いてのぼること。
・恩光…君主の広大な恵み。君恩。
【解説】
第百一首目は、「神の教えに従えば、富貴になり繁盛する」ということについて詠んでいると、注釈は説明しています。但し、注は神の教えを具体的に「中道正直」とし、垂加神道の中心思想「神垂以祈祷為先、冥加以正直以本」を主張しています。絵は、鳥居をくぐる一人の正装した貴人あるいは神官と二人の従者の姿を描いています。

(底本:『世中百首絵鈔』(1835年刊。三重県立図書館D.L.))