【翻字】
写真

俗はアイノさみせんと唱れとも
五弦なり有虞氏か五弦琴の
遺製にもや東えそ地には
絶てなし西えそ地のみあり
調子は平微
一三同四一段上がり二五同
左右の食指を
もてくす

足高蜘蛛音
造高島音
軍参河音
造温泉音
大山蔭水音
鯨神与海獣闘争音
造嶋神山神陣列音
此外も伝れとも略

モセキナ
麻の類なり
茎糸をとりて
弦とす

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【通釈】
写真

俗にアイヌ三味線と呼んでいるが、五弦である。有虞氏帝舜の弾いたという五弦琴が伝わったものか。東蝦夷の地には絶えて見られず、西蝦夷の地にだけ見られる。調子は平調。一弦三弦は同じ調子、四弦は一段上がり、二弦と五弦も同同じ調子である。左右の人差し指を使って弾く。
足高蜘蛛音、造高島音、軍参河音、造温泉音、大山蔭水音、鯨神与海獣闘争音、造嶋神山神陣列音といった曲がある。以上の他にも伝わっているが、省略する。
モセキナ
麻と同類の植物である。茎の繊維を取って、五弦琴の弦にする。

【語釈】
・写真…意味不詳。国立博物館所蔵本の同一箇所に「写生」とあり、誤写したものか。
・カ…意味不詳。アイヌの五弦琴の呼称か。
・有虞氏…中国古代の聖帝の一人、舜。
・五弦琴…『十八史略』「帝舜有虞氏」に「弾五絃之琴、歌南風之詩、而天下治」とある。
・遺製…遺制。昔の制度で今にのこっているもの。
・調子…弦楽器の調弦法。
・平微…意味不詳。国立博物館所蔵本の同一箇所に「平調」とあり、誤写したものか。
・食指…人差し指。
・くす…意味不詳。国立博物館所蔵本の同一箇所に「鼓す」とあり、誤写したものか。

【解説】
 アイヌの五弦琴について、描き説明しています。

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