【翻字】
見跡 時量
行衛なをまよはゝうしや遠からぬ法のおしへの跡とみなから
行衛なをまよはゝうしや遠からぬ法のおしへの跡とみなから
【歌】
行衛(ゆくゑ)なを迷はば憂しや 遠からぬ法(のり)の教への跡と見ながら
【訳】
(今後の)行く先にこの上まだ迷うとしたら、辛いことだ。仏法の教えはもう遠くはないと(このように)その印を確認しているのに。
【語釈】
「憂し」は「牛」を掛けています(掛詞)。
【解説】
この歌の題である十牛図第二図はこれです。

少年は地面に視線を定かに向けています。牛の足跡を見付けたのです。己の心の表れを確認し、そのありさま、実相を見定めようとしています。
作者の平松時量(ひらまつときかず)は、寛永4年(1627年)-宝永元年(1704年)、最高位は権中納言正二位です。妻は第一首の作者・飛鳥井雅章の娘です。
この歌も第一首同様、表現は平易で、意味も十牛図の趣旨をよく汲んでいます。