【翻字】
 見牛 雅喬
 とりとめんこゝろにのりてしたふそよゆきかくるをはうしと見なから
【歌】
 執り留めん心に乗りて慕ふぞよ 行き駆くるをば憂しと見ながら
【訳】
 (悟りの知恵によって)捕まえ留めようとする心に(いつかは自分が)乗って(それを従えようと)求めることだよ。(それなのに心は自分の元から)走り去って行くのを(追い求める自分は後ろから)辛いと見ていることだ。
【語釈】
 「憂し」は「牛」を掛けています(掛詞)。
【解説】
 この歌の題である十牛図第三図はこれです。

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 少年は足跡を追い、ついに牛本体を見つけ、その後を追います。しかし牛は走り逃げて行き、少年は尻を見て追うよりありません。 
 作者の白川雅喬(しらかわまさたか)は元和7年(1621年)-元禄元年(1688年)、最高位は非参議正二位です。
 この歌は第一首・第二首に比べ、少し意味の取りにくい歌です。特に上の句がよくわかりません。下の句は、十牛図の絵と合わせて見た時、絵の少年の思いを詠んだものとわかります。