第三不言は用体言のみ無し。将然格は〈言〔い〕はざら〈一〉ば〉〈言〔い〕はざり〈四〉とも〉といひ、続用言は将言にてうけて〈言〔い〕はざら〈一〉ん〉といふに比(たぐ)ひて〈ざら〈一〉め〉ともいふべく、第二将言にて受けて〈言〔い〕はざらまし〉といふに比(たぐ)ひて〈ざら〈一〉まく〉〈ざら〈一〉ましか〉ともいふべく、去言にてうけて〈言〔い〕はざり〈二〉き〉といふに比(たぐ)ひて〈ざり〈二〉けん〉〈ざり〈二〉し〉〈ざり〈二〉しか〉ともいふべく、第二去言にて受けて〈言〔い〕はざり〈二〉けり〉といふに比(たぐ)ひて〈ざり〈二〉けらん〉〈ざり〈二〉ける〉〈ざり〈二〉けれ〉ともいふべく、第三将言にてうけて〈言〔い〕はざる〈四〉べし〉と言ふに比(たぐ)ひて〈ざる〈四〉べく〉〈ざる〈四〉べき〉〈ざる〈四〉べけれ〉ともいふべく、第四不言にて受けて〈言〔い〕はざる〈四〉まじ〉といふに比(たぐ)ひて〈ざる〈四〉まじく〉〈ざる〈四〉まじき〉〈ざる〈四〉まじけれ〉ともいふべく、第二畢言にてうけて〈言〔い〕はざる〈四〉なり〉といふに比(たぐ)ひて〈ざる〈四〉ならん〉〈ざる〈四〉なる〉〈ざる〈四〉なれ〉ともいふべく、第四将言にて受けて〈言〔い〕はざる〈四〉めり〉といふに比(たぐ)ひて〈ざる〈四〉らん〉〈ざる〈四〉める〉〈ざる〈四〉めれ〉ともいふべし。このうち(らん)は(め)を略(はぶ)きたるものなる事、たびたびいへるが如し。已上は続用活なる(ざら〈一〉・ざり〈二〉・ざる〈四〉)の三つより将言・第二将言・去言・第二去言・第三将言・第四不言・第二畢言・第四将言へ続ける例を示せるなり。右の外には竟言にてうけて〈言〔い〕はざり〈二〉て〉とも、畢言にて受けて〈言〔い〕はざり〈二〉に〉とも、第二竟言にてうけて〈言〔い〕はざり〈二〉たり〉ともいふべからぬ事は明らかなるべし。然れども竟言にてうけて〈ざり〈二〉て〉とはいはぬ事もとよりなれど、〈ざり〈二〉つ〉〈ざり〈二〉つる〉などはいはるるやうにも思はるれど、なほよからぬなるべし。
 さて切断言は〈言〔い〕はざり〈三〉〉といふ格なれど、然(し)かいひ終りたるつかひかたは先づ見あたらぬ事なり。しかれどもその格はたしかにして、さもいはるることなるを知るべし。続体言は〈言〔い〕はざる〈五〉事〔こと〕〉、已然格は〈言〔い〕はざれ〈六〉ば〉〈言〔い〕はざれ〈六〉ども〉、希求言は〈言〔い〕はざれ〈七〉〉といふ類なるなり。これらは別にいふべき事も無し。

 第二去言は将然格・用体言・希求言の三つなし。将然格のなき事は去言の処にて言へると同理なり。用体言と希求言の無きも助用言の常なれば、又、疑ふ事も無かるべし。さて続用言は将言にて受けて〈行〔ゆ〕きけら〈一〉ん〉といふに比(たぐ)ひて〈けら〈一〉め〉とも言ふべし。又、これは第二将言にても受けて〈行〔ゆ〕きけら〈一〉まし〉といひ、それに比(たぐ)ひて〈けら〈一〉まく〉〈けら〈一〉ましか〉などもいはるべきかとも思へど、たしかには定め難し。又、これが去言へつづきて〈けり〈二〉き〉とやうにも言へる例ありといへれど、それに比(たぐ)ひて〈けり〈二〉し〉〈けり〈二〉しか〉と言へる事もありや。まして〈けり〈二〉けん〉とは言はるべくもおぼえざれば、己は取らざるなり。かくて切断言は〈行〔ゆ〕きけり〈三〉〉、続体言【原書は「続用言」。誤記として訂正】は〈行〔ゆ〕きける〈五〉道〔みち〕〉、已然格は〈行〔ゆ〕きけれ〈六〉ば〉〈行〔ゆ〕きけれ〈六〉ども〉といふ類なるなり。これらも別にいふべき事無し。

 第二竟言は例の用体言なし。将然格は〈降〔ふ〕りたら〈一〉ば〉〈降〔ふ〕りたり〈四〉とも〉といひ、続用言は将言にて受けて〈降〔ふ〕りたら〈一〉ん〉といふに比(たぐ)ひて〈たら〈一〉め〉ともいふべく、第二将言にてうけて〈降〔ふ〕りたら〈一〉まし〉といふに比(たぐ)ひて〈たら〈一〉まく〉〈たら〈一〉ましか〉ともいふべく、不言にて受けて〈降〔ふ〕りたら〈一〉ず〉といふに比(たぐ)ひて〈たら〈一〉ぬ〉〈たら〈一〉ね〉ともいふべく、第二不言にてうけて〈降〔ふ〕りたら〈一〉じ〉ともいふべし。又、去言にて受けて〈降〔ふ〕りたり〈二〉き〉といふに比(たぐ)ひて〈たり〈二〉けん〉〈たり〈二〉し〉〈たり〈二〉しか〉ともいふべく、第二去言にてうけて〈降〔ふ〕りたり〈二〉けり〉といふに比(たぐ)ひて〈たり〈二〉けらん〉〈たり〈二〉ける〉〈たり〈二〉けれ〉ともいふべし。又、第三将言にて受けて〈降〔ふ〕りたる〈四〉べし〉といふに比(たぐ)ひて〈たる〈四〉べく〉〈たる〈四〉べき〉〈たる〈四〉べけれ〉とも言ふべく、第四不言にてうけて〈降〔ふ〕りたる〈四〉まじ〉といふに比(たぐ)ひて〈たる〈四〉まじく〉〈たる〈四〉まじき〉〈たる〈四〉まじけれ〉ともいふべく、第四将言にてうけて〈降〔ふ〕りたる〈四〉めり〉といふに比(たぐ)ひて〈たる〈四〉らん〉〈たる〈四〉める〉〈たる〈四〉めれ〉ともいふべし。已上は此の第二竟言の続用活、即ち(たら〈一〉・たり〈二〉・たる〈四〉)の三つより将言・第二将言・不言・第二不言・去言・第二去言・第三将言・第四不言・第四将言の九品へ続ける例を示せるなり。右の外には、竟言にてうけて〈降〔ふ〕りたり〈二〉つる〉とやうにもいはるべく覚えて、今世には然(し)かいひたるもをりをり見る事なれども、よく思へばそれに比(たぐ)ひて〈たり〈二〉つれば〉などはまたいふべきやうなれど、それを〈たり〈二〉て〉とはさらにさらにいふべくもあらねば、この詞にては受けざるなるべし。又、畢言にてもうけざる事は、〈たり〈二〉に〉〈たり〈二〉ぬる〉などとはいはれぬにて知られたり。
 さて本書【『言語構造式』38/41参照】の此処の表のしるしざまはわろかりき。さるは受くる詞におちたるもの多く、また竟言の(つ)にても受くるやうにしるしたるなど、皆悪しきよしを悟りたれば、今書には改めたる事、表に挙げたるが如し。いまひとつことわり置くべきは、此の詞を第三不言にてうけて〈たら〈一〉ざり〉〈たら〈一〉ざる〉とはいはざるかと思ふを、又〈たら〈一〉ざらん〉〈たら〈一〉ざれば〉とやうにはいはるるかとも思はれて、定めがたき事也。仍(より)てこれをば省きてはあれど、後の人よく考へ定めてよかし。
 かくて切断言は〈降〔ふ〕りたり〈三〉〉、続体言は〈降〔ふ〕りたる〈五〉雪〔ゆき〕〉、已然格は〈降〔ふ〕りたれば〉〈降〔ふ〕りたれども〉といふ類なるなり。これにはいふべき事なし。
 さて又、希求言には異ざまなる例にて〈人〔ひと〕たれ〉といふを出したり。こは助用言の処【本書上巻119/133「べし・めり・まじ・なり」参照】にて此の第二竟言の事をいひたるに、「冠言なる(た)は其の原言なる竟言より出たり。然れども今一つの理よりいへば、(てあ【原書は「にあ」。誤記として訂正】)の約(つづま)りて成りたるものなりとも言ふべし」とやうにいひ置きたり。然るに〈人〔ひと〕たれ〉の(た)はその(てあ【原書は「にあ」。誤記として訂正】)の約(つづま)りなる(た)にもあらずして、こは別に(とあ)の約(つづ)まりの(た)といふべきものなるなり。さるは〈人〔ひと〕とあり〉といふべきが約(つづ)まりて〈人〔ひと〕たり〉とはなれるなりかし。されば第二竟言といへる(たり・たる)は竟言の(つ・つる)より出たる(た)を冠(かむ)りて良行変格活になれるもの、或ひは言ひ換へて(てあり・てある)の約(つづ)まりたるなりとも言ふべきものと、爰(ここ)にいへる(とあり・とある)の約(つづ)まりたるものとの二つある事を知り置くべし。かかればその(とあり)のかたなる(たり)は、(たれ〈七〉)といへば希求言になるといふ事を示す為に、異なる詞なる△印をつけて挙げ置きたるなりと知るべし。

 第二畢言もまた例の用体言なし。将然格は〈落〔お〕つなら〈一〉ば〉〈落〔お〕つなり〈四〉とも〉といひ、続用言は将言にて受けて〈落〔お〕つなら〈一〉ん〉といふに比(たぐ)ひて〈なら〈一〉め〉ともいふべく【原書は「べき」。誤記として訂正】、第二将言にてうけて〈落〔お〕つなら〈一〉まし〉といふに比(たぐ)ひて〈なら〈一〉まく〉〈なら〈一〉ましか〉とも言ふべく、不言にて受けて〈落〔お〕つなら〈一〉ず〉といふに比(たぐ)ひて〈なら〈一〉ぬ〉〈なら〈一〉ね〉ともいふべく、第二不言にてうけて〈落〔お〕つなら〈一〉じ〉ともいふべく、第三不言にて受けて〈落〔お〕つなら〈一〉ざり〉といふに比(たぐ)ひて〈なら〈一〉ざらん〉〈なら〈一〉ざる〉〈なら〈一〉ざれ〉ともいふべし。但しこれも前條の第二竟言をうくると同じ事にて、穏やかならざるやうにも聞(きこ)ゆれど、此のかたはややよろしきやうなればここに挙ぐ。又、去言にてうけて〈落〔お〕つなり〈二〉き〉といふに比(たぐ)ひて〈なり〈二〉けん〉〈なり〈二〉し〉〈なり〈二〉しか〉ともいふべく、第二去言にて受けて〈落〔お〕つなり〈二〉けり〉といふに比(たぐ)ひて〈なり〈二〉けらん〉〈なり〈二〉ける〉〈なり〈二〉けれ〉ともいふべし。また第三将言にて受けて〈落〔お〕つなる〈四〉べし〉といふに比(たぐ)ひて〈なる〈四〉べく〉〈なるべき〉〈なる〈四〉べけれ〉とも言ふべく、第四将言にて受けて〈落〔お〕つなる〈四〉めり〉といふに比(たぐ)ひて〈なる〈四〉らん〉〈なる〈四〉める〉〈なる〈四〉めれ〉ともいふべし。此(この)うち(らん)は(めらん)の略なる事、たびたびいへるが如し。已上はこの第二畢言の続用活、即ち(なら〈一〉・なり〈二〉・なる〈四〉)の三つより、将言・第二将言・不言・第二不言・去言・第二去言・第三将言・第四将言の八品へ【原書は「九品より」。誤記として訂正】続ける例を示せるなり。右の外には、竟言にて受けて〈なり〈二〉て〉〈なり〈二〉つる〉とも、畢言にて受けて〈なり〈二〉に〉〈なり〈二〉ぬる〉とも、第二竟言にて受けて〈なり〈二〉たり〉〈なり〈二〉たる〉ともいはれぬ事はいと明らかなるべし。初学の為にことわり置かむ、いはゆる第二畢言の〈也〔なり〕〉と作用言の〈成〔なり〕〉とを混乱すべからず。さるは爰(ここ)にいへるものを〈成〔なり〕〉のかたよりいへば、皆然(し)か言はるるものなればぞかし。
 かくて切断言は〈落〔お〕つなり〈三〉〉、続体言は〈落〔お〕つなる〈五〉滝〔たき〕〉、已然格は〈落〔お〕つなれ〈六〉ば〉〈落〔お〕つなれ〈六〉ども〉といふ類なるなり。これらはいふべき事無し。
 さて又、ここにも希求言には、異なる詞の〈実〔まこと〕なれ〈七〉〉といふを出せり。然してこれは、第二畢言として畢言の(な)を冠(かむ)りて良行変格活になれるものの、今一つの理よりしていふ、〈にあり〉〈にある〕の約(つづ)まりて〈なり〉〈なる〉と成りたるもののうちにして、その(なれ)は或る詞につけば希求言となるといふことを示す為に、例の△印をつけて〈実〔まこと〕なれ〈七〉〉といふを挙げたるなり。さるは此の詞はすべての用言をうけては希求言にならずして、前條の第二竟言が〈人〔ひと〕たれ〉と、〈人〔ひと〕〉なる体言を受くれば希求言と成ると同じ事にて、〈実〔まこと〕〉なる体言を受けて希求言にはなりたるなりと知るべし。但し(たれ)も(なれ)もたまたまは用言を受けても希求言に成る事もあるべきか、よく尋ぬべし。
 さて此の第二畢言が作用言の続用第三活、即ち(四)をうくるは常の事なるを、時としては続体活、即ち(五)をうくる事もあるよしは助用言の処にいひ置きたるを、今又よく考ふるに、畢言の(な)より良行変格活になれりとするもの、即ち〈也〔なり〕〉といふかたは(四)をうけて同じ事にても、〈にあり〉〈にある〉の約(つづ)まりて成れりとする〈なり〉〈なる〉のかたは(五)をうくといひて宜しきが如し。かくいふは、(五)をうくるかたは〈なりけり〉とつづけるもの多ければなり。さるはたとへば〈落〔お〕つる〈五〉なりけり〉といふは、〈落〔お〕つるにありけり〉としてよく聞(きこ)ゆればぞかし。さるをこれとおほかた同じかるべき〈落〔お〕つ〈四〉なり〉といふを、〈落〔お〕つにあり〉としては穏やかならぬにて知らるべし。
 かく考へてさて思へば、上に挙げたる受くる助言にていひ洩(もら)したる第四不言も、作用言を第二畢言にてうくるさまにより、受くると受けざるとがあるにやとも思はる。さるは作用言の(四)を第二畢言にて受けたるを、〈落〔お〕つ〈四〉なる〈四〉まじき〉と第四不言にてはうくべからずして、その(五)をうけたるを〈落〔お〕つる〈五〉なる〈四〉まじき〉とやうには受くべきが如し。此のさかひいと奇妙なるもののやうに己は思へど、なほわろきにや、後の識者をまちて定めんとす。さて本書【『言語構造式』38/41参照】には此表のしるしざまも甚だわろかりき。

 第四将言は将然格・用体言・希求言なし。これらの無きいはれは、たびたびいへる事あるに准(なぞら)へてしるべし。続用言は将言にて受けて〈見〔み〕るら〈一〉ん〉といふに比(たぐ)ひて〈ら〈一〉め〉ともいふべし。この〈ら〈一〉ん〉〈ら〈一〉め〉は助用言の処にて示せる如く、〈めら〈一〉ん〉〈めら〈一〉め〉といふべき(め)の省略なるなり。前にもこれにて受けたるものにはうるさき迄ことわり置けるが如し。かくて第二畢言にて受けて〈見〔み〕るめる〈四〉なり〉といふに比(たぐ)ひて〈める〈四〉ならん〉〈める〈四〉なる〉〈める〈四〉なれ〉といふべし。さても此の詞の続用言は、然(し)か受けたるより外にはすべての同類にて受けざるものかと思はる。さるは第二将言にてうくるに、例の(め)を略(はぶ)きて〈ら〈一〉まく〉〈ら〈一〉まし〉とも、又不言どもにて受けて〈めら〈一〉ず〉〈めら〈一〉ぬ〉〈めら〈一〉じ〉〈めら〈一〉ざり〉〈めら〈一〉ざる〉とも、又、第三将言・第四不言にて受けて〈める〈四〉べく〉〈める〈四〉べき〉〈める〈四〉まじく〉〈める〈四〉まじき〉とも、又、竟言・畢言・第二竟言にてうけて〈めり〈二〉て〉〈めり〈二〉つる〉〈めり〈二〉に〉〈めり〈二〉ぬる〉〈めり〈二〉たり〉〈めり〈二〉たる〉とやうにはいはれざる事明らかなるべし。ただ去言と第二去言とは、もしは受くるにか。さるは〈見〔み〕る〈四〉めりし〉〈見〔み〕る〈四〉めりしか〉とやうにはいふべきが如し。然れどもこれもまたそれに比(たぐ)ひて〈めり〈二〉けん〉〈めり〈二〉き〉といふはいががにやとも思はる。又〈見〔み〕るめり〈二〉けり〉といふに比(たぐ)ひて〈めり〈二〉ける〉〈めり〈二〉けれ〉とはいはるるやうなれど、これも〈めり〈二〉けらん〉はいかがならむ。とにかくに(め)は将言より出たるものなれば、(ん)と受くるにはかの略(はぶ)く例もある意味にて、〈めり〈二〉けん〉〈めり〈二〉けらん〉は〈め〉と〈ん〉と重なる故に、悪しきにてもあるべし。
 かくて切断言は〈見〔み〕るめり〈三〉〉、続体言は〈見〔み〕るめる〈五〉花〔はな〕〉、已然格は〈見〔み〕るめれ〈六〉ば〉〈見〔み〕るめれ〈六〉ども〉といふ類なるにて、これらは例の別にいふべき事もなし。本書【『言語構造式』38/41参照】の表、此処もまたわろかりき。
 先づこれまでにて比較表の一わたりは説き畢(をは)りたるなり。

【補説】
 ここで谷は「助用言(今でいう助動詞)」の「第三不言(ざり)」「第二去言(けり)」「第二竟言(たり)」「第二畢言(なり)」「第四将言(めり)」について説明している。
 ここの全てで続用活(今でいう連用形)が現在と大きく異なるのは、谷が「用言」を「助用言」(今でいう助動詞)を含めた「活用する語全て」と定義したことによるものである。
 ここに示された谷の所説が現在の通説と大きく異なる点を挙げると、「ざり」を独立した助用言としている一方で、体言に接続する「たり」「なり」を独立した助用言としていない点である。
 以下、用語対照表を示す(左 本書独自の用語:右 現在の一般的用語)。
・不言:打消(系)の助動詞
・用体言:動詞連用形からの転成名詞
・続用言:連用形(続用活も同じ)
・将言:推量(系)の助動詞
・去言:過去の助動詞
・畢言:完了の助動詞
・竟言:完了の助動詞
・切断言:終止形(切断活も同じ)
・続体言:連体形(続体活も同じ)
・希求言:命令形(希求活も同じ)
・助用言:助動詞
・〈一〉:続用第二活。未然形を指す
・〈二〉:続用活。連用形を指す
・〈三〉:切断活。終止形を指す
・〈四〉:続用第三活。終止形・ラ変型活用語の連体形を指す
・〈五〉:続体活。連体形を指す
・〈六〉:続体第二活。已然形を指す
・〈七〉:希求活。命令形を指す
・作用言:動詞
・用言:活用(のある)語
・体言:活用のない語

クリップボード一時ファイル02