江戸期版本を読む

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カテゴリ:上方落語速記本・原典 > 滑稽大和めぐり 第一回(宿屋仇)

【翻字】
する
とこの時前(ぜん)にお泊りになツたお武士(さむらひ)でございますナ、お国許(くにもと)
へさして書面を出(いだ)さうといふので、料紙を取寄せて、片手に

半切(はんぎれ)を持ち、何か手紙をばお認め掛けになりましたが、何分
にも床板が弛(ゆる)んでゐたと見えて、隣がドシドシと踊出(おどりだ)しまし
たので、手紙が真直(まんぞく)に書けません、半切(はんぎれ)へさして点々(ちよぼちよぼ)ばかり
書いて在(ゐ)らツしゃる、お武士(さむらひ)も大きに立腹を致しまして、ポ
ンポン手を拍(う)ちながら 五平「伊八伊八、コリヤコリヤ伊八、コリ
ヤ伊八イー 〇「オイ伊八どん、奥の茶の室の旦那が、手が鳴
るぜ 伊八「然(さ)うか………ヘエ旦那、御免あそばせ」 と唐紙(からかみ)を開い
て這入(はひ)ツて参り 伊八「エー何か御用でございますか 五平「伊八、
宵の泊りに其方(そのはう)に何と申した、昨夜は藤堂和泉守様の御領分
名張の小竹屋彦兵衛方にて一泊を致した、ところがイヤハヤ
女子(じやこ)も赤子(もうざう)も一所(ひとつ)に寝かし居(を)ツた、相撲取は歯切(はぎり)を噛むやら
順礼が寝言をいふやら、駈落者が夜通(よどほし)イチヤイチヤと狎戯(いちやつ)きを
る、由(よ)ツて徹夜(よつぴて)寝られなかツたから、今宵は間狭(ませば)な所にても

苦しうない、何卒(どうぞ)静かな所へ寝かしてお呉りやれと、其方(そのはう)に
南鐐一片遣(つかは)したではないか 伊八「ヘエ 五平「何だ、国許(くにもと)へさして
書面を出(いだ)さうと、料紙を借受け、今一筆認(したゝ)めんとしたが、隣
の客人(きやくじん)がドンドコドンドコと、床板も打抜かんばかりに騒ぎ立て
ゝ居(を)る、何(ど)うもこれを見い、この通り一字(いちじ)も書くことが出来ぬ
わい、点々(ちよぼちよぼ)ばかり書いて居(を)る、困るぢやアないか、サア、静
かに致すか、但しは座敷をば取替へるか、貴様の方に静かな
座敷がなければ、隣家へさして旅宿(やど)を取替へるか、如何(どう)ぢや
 伊八「誠に何(ど)うも恐れ入ります、何(ど)うか隣の客人(きやくじん)へ密(ひそ)かに致し
まするやうに申入れまするから、暫時(しばらく)御辛抱を願ひます 五平「
密(ひそ)かに致せば可(よ)い、致さぬければ旅宿(やど)を取替へるから、よい
か 伊八「宜しうございます 五平「然らば隣座敷へ然(さ)う申して来い
 伊八「畏まりましてございます」 伊八はお武士(さむらひ)の座敷を立ツて

隣の唐紙を開いて這入りますると、下女(をなごし)は三味線を弾ひて居(を)
りまして、二人は全(まる)の裸体(はだか)で、ヤレヤレ、えらい奴ちやツてな
事を言ツて、頻(しき)りに踊ツて居りますから 伊八「ヘエ、御免下さ
いませ 似多「ヤア伊八か、此処(こゝ)へ来て呉れ来て呉れ、どうぢや、お前
も此処(こゝ)へ来て裸体(はだか)になツて一ツ踊れ 伊八「エゝ恐れ入りました
何(ど)うか一ツお静かに願ひたいことで 似多「ナニ静かに、何(ど)うせい
と言ふのぢや 伊八「実は隣のお客人(きやくじん)が、騒々しうて困ると仰し
やいますので、何(ど)うか成るだけ一ツお静かに願ひたいことで 
 似多「オイ伊八、乃公(おら)ア斯(か)うやツて旅をして、マア宿屋にでも
着いて、一盞(いつぱい)酒でも飲んで、踊ツたり跳ねたりするのが楽し
みだ、此方(こつち)で踊ツてゐるのを、隣の客が何とか小言(こゞと)を言ツて
るのか、如何(どう)いふ不足を言ツてるのぢや、えらい面白い、乃(お)
公(れ)が一ツ行ツて掛合(かけあひ)をしてやる、乃公も愉快で踊ツて居(ゐ)るの

だ、隣の客も此方(こちら)に負けず劣らず踊ツたら如何(どう)ぢや、分らぬ
奴ぢや、然(さ)う言ツて来い 伊八「ヘエ、誠に何(ど)うも恐れ入ります
けれども隣のお客様はれこ(〇〇)でございまして 似多「れこ(〇〇)、何だ、
指を二本出して、ムゝウ、隣のお客に銭を二百文貰ツたとい
ふのか 伊八「イエ然(さ)うぢやアございません 似多「れこ(〇〇)とは何だ 
伊八「相手はりやんこ(〇〇〇〇)で 似多「アゝ田舎武士(さぶ)かエ 伊八ヘエ御推量
の通り 似多「武士(さむらひ)か、武士(さむらひ)が何ぢやエ、二本穿(ざ)しが怖くツて田(でん)
楽(がく)が喫(く)へるかエ、そんな事に遠慮があるものか、やれやれ」と
似多八は又候(またぞろ)踊りかけます奴を、紛郎兵衛は止めまして、紛郎「
オイオイ、そんな馬鹿な事を言ふナ、何しろ相手はお武士(さむらひ)だ、
こんな事が如何(どん)な間違ひにならうも知れぬぜ、オイオイ伊八
お前気の毒だけれども、隣のお客様に味好(あんぢよ)う言訳(ことわけ)を言うて、
ツイ一杯機嫌で踊りましたが、誠に済まぬことで、これから静

かにして最(も)う寝(やす)みますと、宜しく断りをお前から然(さ)う言ツて
お呉れ 伊八「大きに何(ど)うもお気の毒さまで、似多「ぢやア伊八、お
前にえらい迷惑をかけて済まなかツた、これから寝ることにす
るから 伊八「何(ど)うか一ツお静かに願ひます
 
【語釈】
・半切…ルビ不鮮明。書簡用の、縦が短く横に長い和紙。
・点々(ちょぼちょぼ)…ルビ不鮮明。踊り字を表す記号や「…」などを指す。
・旦那が、…原文「旦那が 」。、の欠落は明白であり、補った。
・狎戯(いちやつ)き…ルビ不鮮明。
・徹夜(よっぴて)…「よっぴて」は「一晩中。夜どおし」。
・一字(いちじ)…ルビ不鮮明。
・小言(こゞと)…ルビ不鮮明。
・掛合(かけあひ)…要求などについて先方と話し合うこと。交渉。談判。
・れこ(〇〇)…「これ」を逆にした語で、あからさまに言うのを避けるときに用いる。(〇〇)は強調のための傍点。
・りやんこ…両個。《両刀を腰に差しているところから》武士を指す隠語。
・田舎武士(さぶ)…ルビ不鮮明。「さぶ」も不詳。似多は、伊八が「れこ」と「さむらい」をあからさまに言わなかったのに合わせて、「さむらい」と明言するのを避けてこう言ったものか。
・二本穿(ざ)しが怖くツて田(でん)楽(がく)が喫(く)へるかエ…「田楽」は味噌田楽。上方ではふつう食材を刺すのに二股に分かれた串を使うところから言った洒落。
・又候(またぞろ)…ルビ不鮮明。「またぞろ」は「同じようなことがもう一度繰り返されるさま。またしても。またもや」。
・言訳(ことわけ)…事の理由。事情。

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【解説】
 紛郎兵衛・似多八の騒ぎに五平太が迷惑し、伊八を通して苦情を入れ、二人も納得して詫びを入れる場面です。大筋は現行の「宿屋仇」と同じですが、細部はやはり現行が簡略なのに対し、本書は成り行きも描写もかなり詳細かつリアルなものになっています。特に、侍と聞いて似多が「かまうものか」と不服を言い、伊八に従わない姿勢を見せるのは、現行版よりも説得力があると言えます。紛郎兵衛がなだめ、似多八もすぐに態度を改めているところから、似多八も本気で談判し抗おうとしたのではなく、抵抗自体が一つの洒落でありポーズであったことがわかります。武士と町人のいわば「ニアミス」を、伊八という接客のプロが間に入って、大事に至らないように両者をなだめ、うまく処理していく緊張感と、その過程の紆余曲折自体を丁寧に描くところに、本書における古形「宿屋仇」の狙いがあったようです。

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【翻字】
紛郎「ぢやア最(も)う寝る
としやうか、オイ女中さん、其処等(そこら)を片附けて了(しま)うて、三味
線は其方(そつち)へ持ツて行ツて、寝床(とこ)を敷いてお呉れ 下女「ハイ、お
寝床(とこ)は何様(どない)いたしませう 紛郎「別々に敷いてんか 下女「畏まりま
した」 二人は寝床(とこ)を敷かせ、枕を付けてコロリと寝ることにな
りました、伊八は彼(か)の武士(さむらひ)の座敷へやツて参りまして 伊八「ヘ
エ旦那様只今は 五平「オウ伊八か、如何(どう)だ、ムウン、隣の客人(きやくじん)
は何と申した 伊八「誠に何(ど)うもツイ酒の上で騒がしう申して、
お隣のお客人(きやくじん)に相済まぬことであツた、これから寝るから宜し
き言訳(ことわけ)を申して呉れと、斯様(かやう)に申しました、只今酒の席を取(とり)

片付け、両人(りやうにん)ながら枕を付けて寝(やす)みましてございます 五平「ム
ゝ然(さ)うか、イヤそれはそれは、えらい伊八、御苦労であツた、こ
れで身共(みども)も大きに安心したといふものぢや、伊八、何卒(どうぞ)お前
彼方(あちら)へ行ツて寝て呉れ 伊八「左様なら旦那様、お寝(やす)み遊ばしま
せ」 彼(か)の武士(さむらひ)は匆々(そこそこ)に手紙をば認(したゝ)め終りまして、軈(やが)て寝床(とこ)の
裡(うち)に入(い)り、コロリと横になりました、すると此方(こちら)の座敷でご
ざいますナ 似多「ナアオイ紛さん 紛郎「ムウン 似多「併しこの旅を
してゐて斯(か)ういう事が面白いのだ、けれどもこんな田舎にも
似合はぬ、彼(あ)れだけ三味線の弾けるといふのは、アゝ実に面
白いナ 紛郎「然(さ)うよ、アゝ愉快であツた」 と言ツて横にはなり
ましたものゝ、寝るにも寝られません 似多「そこで乃公(おれ)が一ツ
惚話(のろけばなし)をしやうか 紛郎「面白いなア 似多「ソレ、私(わし)が彼(あ)の明石の魚(うを)
の棚の伯母貴(をばき)の所へ暫く放蕩(ごくどう)をして預けられた事があツたな

ア 紛郎「ムゝ 似多「その時乃公(おれ)の伯母貴の所の直(ぢき)隣に三味線屋が
あツた 紛郎「ムゝムゝ 似多「其処(そこ)の宅(うち)にお菊といふ娘があツたナ
 紛郎「ムゝ 似多「乃公(おれ)が預けられた時は未(ま)だ十九だツたが、その
三味線屋の娘といふのは十七、ところが隣と此方(こちら)との境界(けいかい)の
所に、一ツの井戸があツた 紛郎「ムゝ 似多「朝手水(てうづ)を使ひに裏へ
出るのだ、釣瓶(?るを?)で水をば汲んで、手水(てうづ)を使うてゐると、隣の
三味線屋の娘のお菊が、兄さん、お早うございます、イヤお
菊さんですか、お早う、兄さん、水を汲んで進(あ)げませうか、
イヤ滅相な、貴嬢(あなた)に水を汲んで貰ひましたら、手水を使ふの
に顔が腫れます、ナニ兄さん、そんな事がおますかいナと、
乃公(おれ)の顔を見て、ニターツと笑ひよツた、ハゝアと乃公(おれ)も感
じたものだから、乃公(おれ)の方でもニタツと笑ツてやツた、チヨ
ツと算盤(そろばん)持ツて見い 紛郎「何を 似多「合わせてシタツと笑ツたん

だ 紛郎「阿呆吐(あほぬか)せ 似多「それから先方(むかふ)が愛(しほ)の目をする依(よ)ツて、此(こ)
方(ち)も負けぬ気で醤油(しやうゆ)の目をしてやツた、すると向(むか)ふの宅(うち)の職
人の若者(わかいもの)が居(ゐ)てナ、其奴(そいつ)が不図(ふつと)見よツたところから、可怪(をかし)な
工合(ぐあひ)ぢやと思ひをツたんぢやらう、それから醤油の目をする
と、伯母貴の宅(うち)の亭主が、チヨイと醤油滓(もろみ)の目をしをツた、
さうすると伯母貴が金山寺味噌の目をしをツた、向(むか)ふの母親
が白味噌の目をしをると、親父が赤味噌の目をしをる、猫が
クルッと彼方(あちら)向いてニヤンの目をしをツた 紛郎「うだうだ言ふ
なエ 似多「サア可怪(をかし)いもので、目と目とが行合(ゆきあ)うて、互いに好(い)
い交情(なか)になツたツて奴ぢや、すると時々(ときどき)は目を忍んで、何処(どつ)
かへ行きませうかツてな事になツて、彼方(あつち)で会うたり此方(こつち)で
会うたりして居(ゐ)るうちに度(たび)重なり、三月四月(みつきよつき)は袖でも隠す、
ソレ、胎(をなか)が大きくなツたのだ、昨夜(ゆうべ)の風呂の上場(あがりば)で、この腹(はら)

帯(おび)を母(かゝ)さんが見付けしやんして、さて憂事(うひこと)して呉れたと言う
てのお腹立(はらだち)、会ひたさに見たさに見たさに会ひたさに来たの
ぢや」と又ソロソロと寝床から裸体(はだか)で飛出(とびだ)して、捨手子(すてゝこ)を踊(をどり)
出します、

【語釈】
・何様(どない)…ルビ不鮮明。
・お寝み遊ばしませ」 彼の武士は…原文「お寝み遊ばしませ、彼の武士は」。明らかに誤植であり、訂正した。
・軈(やが)て…ルビ不鮮明。
・裡(うち)…ルビ不鮮明。
・明石の魚(うを)の棚…現在も明石市中心部に「魚の棚商店街」がある。
・放蕩(ごくどう)…「ごくどう」は「悪事や酒色・ばくちにふけること」。
・此方(こちら)との境界(けいかい)…ともにルビ不鮮明。
・手水(てうづ)…手や顔を洗うための水。
・釣瓶(?るを?)…ルビ不鮮明。「釣瓶」は「井戸水をくむために、縄や竿などの先につけておろす桶」。
・貴嬢(あなた)…漢字・ルビ共に不鮮明。
・合わせてシタツ…「ニタッ」の「ニ」を数字の「ニ」に洒落て、二つ足せば「シ(四)」になるという冗談。
・愛(しほ)の目…ルビ不鮮明。「潮(しお)の目」は「目元を細めた愛嬌のある目つき」。
・醤油の目…意味不明。「潮(しお)の目」の「しほ」を「塩」と洒落たところからの冗談か。以後、同様の「(調味料)の目」という表現が続くが、意味は分明でない。
・宅(うち)…ルビ不鮮明。
・不図(ふつと)…思いがけず。不意に。「ふと」に同じ。
・醤油滓(もろみ)の目…ルビ不鮮明。「もろみ」は「酒・醬油などの醸造で、発酵がすんでまだ漉(こ)していないもの」。醤油滓(しょうゆかす)はそれを漉してでた固形成分を指し、両者は別物である。
・交情(なか)…ルビ不鮮明。
・時々(ときどき)…ルビ不鮮明。
・憂事(うひこと)…ルビ不鮮明。
・お腹立(はらだち)…ルビ不鮮明。
・捨手子(すてゝこ)…ステテコ踊り。明治初期、宴席で吉原の幇間(ほうかん)が踊ったこっけいな踊り。明治13年(1880)落語家初世三遊亭円遊が高座で演じて流行。

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【解説】
 侍・五平太からの苦情を受け、いったんは静かにした紛郎兵衛・似多八ですが、今度は似多八が自身ののろけ話に熱が入り、ステテコ踊りを始めるくだりです。
 現行版「宿屋仇」では、ここの全てがリニューアルされ、相撲話に熱が入り過ぎ、実際に相撲を取って騒いでしまうという内容に変わっています。本書の古形「宿屋仇」を読むと、差し替えられたのも無理はないと思ってしまうほどに、ここのくだりはつまりません。のろけ話をする似多八は興じていますが、聞き手の紛郎兵衛でなくとも、「阿呆吐(あほぬか)せ」「うだうだ言ふなエ」と言いたくなります。当時の寄席客や読者は果たして面白く感じたのかと不審です。
 以下は私の推察ですが、似多八ののろけ話は、似多八にとってはステテコ踊りをしたいがための単なる導入、「ネタの前振り」であり、噺全体としては、次の紛郎兵衛による色事話のやはり「前振り」ではなかったかと思います。こののろけ話がつまらないものであるのは演者も承知の上であり、次の本ネタを自然に導き引き立てるための演出ではなかったかと、そのように推察します。

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【翻字】
ドシドシドシドシとえらい音がしますから、隣の
間のお武士(さむらひ)は、又手を拍(たゝ)きながら、五平「伊八、コリヤコリヤ伊八
ドツコイ伊八、伊八イー 〇「オイ伊八ドン、奥の茶の室(ま)の旦
那が又お手が鳴ツてるぜ 伊八「何ぢやいナ…………ヘエ旦那様、
何(なに)の御用でございますか 五平「伊八、マア此方(こちら)へ這入(はひ)れ 伊八「ヘ
エ 五平「ヘエぢやアない、貴様に宵に泊る時に南鐐一片遣(つかは)した
のウ 伊八「ヘエ、確かに頂戴いたしましてございます 五平「その
時に拙者何と申した、昨夜は伊賀の名張、藤堂和泉守様の領
分、小竹屋彦兵衛方に一泊いたした時に、女子(ぢやこ)も赤子(もうざう)も一所(ひとつ)
に寝かし、相撲取は歯切(はぎり)を噛むやら、順礼が寝言をいふやら

駈落者が夜通(よどほし)イチヤイチヤイチヤイチヤと、イヤモウ騒々しうて
徹夜(よつぴて)寝られなかツた、由(よ)ツて今宵は間狭(ませば)な所にても苦しうな
いから、密(ひそ)かな所に一泊させて呉れと、彼(あ)れ程申したではないか
何だ、今枕を付けて快々(すやすや)と寝やうとすると、隣の客人(きやくじん)だ、会
ひたさに見たさに見たさに会ひたさに何だとか申しながら、
ドシドシドシドシ踊り居(を)るから、真直(まとも)に枕をして寝て居(ゐ)られ
ぬ、見ろ、枕は彼(あ)んな所へ飛んで仕舞ツた、ムウン如何(どう)だ、
サア、旅宿(やど)を取替へやうか、座敷を替へるか、何(ど)うか致せ 
 伊八「どうも何とも旦那様、申訳がございません、最(も)う夜も?(ふ)
けて居りますから、今から座敷を何(ど)うしやうと申しましても
最う皆(みん)な座敷も閊(つか)へて居りまするし、これから隣のお客様の
所へ参りまして、静かに致しますやうに、今一応申聞(まをしき)けます
から、何卒(どうぞ)御辛抱を下されますやうに願ひます 五平「ムゝ諾々(よしよし)

然らば左様申して来い 伊八「畏まりましてございます」 伊八は
此処(こゝ)を立ツて、又隣の間の唐紙を開き、伊八「エー御免下さいま
し 似多「イヤア伊八か、這入れ這入れ、大変に惚話(のろけばなし)が盛(はづ)んでゐる
乃公(おれ)と三味線屋の娘と一緒になツて、昨夜(ゆふべ)の風呂の上場(あがりば)で、
この腹帯を母(かゝ)さんが、見付けしやんしてさても憂事(うひこと)して呉れ
たとのお腹立(はらだち)、会ひたさに見たさに見たさに会ひたさに来た
のぢや」 と又似多八はソロソロ踊り始めますから 伊八「モシお
客様、何(ど)うぞ一ツ済みませんが、隣のお武士(さむらひ)様が旅宿(やど)を取替
へる、座敷を替へたいと仰しやいますので、実に今晩は宿泊(とまり)
人(うど)も多くございまして、取替へることも出来ません、私も大き
に迷惑を致して居りまする次第で、何(ど)うか一ツお静かに願ひ
たいことでございます 似多「伊八、大きに悪かツた、ツイ話に身
が入(い)ツて、思はず知らず踊ツたんだ、堪忍してお呉れ、最(も)う

静かにこれから寝る依(よ)ツて、隣のお客さんに味好(あんぢよ)う言訳(ことわけ)いう
て置いてや 伊八「承知いたしました、左様ならお寝(やす)みなさいま
し」 若者(わかいもの)は引退(ひきさが)り、茶の室(ま)へ出掛けて参りました 伊八「ヘエ旦
那様 五平「ムゝ伊八、如何(どう)であツた、ムウン、隣の客人(きやくじん)は静か
に致すか、致さねば今からでも好(よ)い、何所(どこ)へなと旅宿(やど)を取替
へやるから 伊八「エー左様申しましたら、誠に何(ど)うも済まぬことぢ
や、隣のお武家様に宜しく言訳(ことわけ)を言うて呉れと、重々(ぢうぢう)手を突
いて詫(あやま)ツて居りました 五平「ムゝウ、それなら最(も)う大丈夫であ
る、御苦労であツた、お前も彼方(あちら)へ行ツて早く寝(やすん)て呉れ 伊八「
左様ならお寝(やす)み遊ばせ 紛郎「似多、貴様等(ら)が話をするかて騒々
しくツて不可(いかん)、お前等(ら)ア色事をしたからツて雛(ひよこ)だ、ナア、色
事なら乃公(おれ)がしたやうな色事をせにや、色事師とは言へぬぜ
似多「紛さん、お前の色事ツて如何(どう)いふことぢや、一ツ聞きたい


【語釈】
・真直(まとも)…ルビ不鮮明。
・夜も?(ふ)け…漢字不鮮明。
・申聞(まをしき)けます…「申し聞かせます」と同義。
・彼方(あちら)へ行ツて…原文「彼方(あちら)へ言ツて」。明らかな誤植であり、訂正した。
・雛(ひよこ)…原文「皺(ひよこ)」。意味は「しわ」。ルビに合わせて訂正した。

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【解説】
 隣が再び騒ぎ始めたので、侍の五平太が伊八を呼び、伊八が再び紛郎兵衛・似多八を静め、今度は紛郎兵衛が自分の色事を語ろうとする場面です。
 二度町人が騒ぎ、二度侍が怒り、二度宿の者が静めたり宥めたりする、これは新旧の「宿屋仇」に共通しています。全て、クライマックスへ至る「前振り」です。この「宿屋仇」は、上方落語の中でも非常に劇的なサゲを持つ、よくできた噺の一つです。寝不足の侍が怒るのも無理はないという状況を、巧みに作り上げていきます。
 昔「8時だよ!全員集合」という人気番組がありました。コントの基本パターンの一つに、いかりや長介が耐えに耐えて最後に怒る、というのがありました。「宿屋仇」はそれとよく似ています。ドリフターズのメンバーが悪ふざけを重ねても、リーダーのいかりや長介は怒らず、事を収めていきます。「宿屋仇」の侍も、町人のしでかす騒ぎに迷惑しながら、宿の者を間に立てて、二度までも穏便に事を収めます。そうして、度重なる悪ふざけに耐えかねたいかりや長介が怒りを爆発させてメンバーに報復し、それを見て観客の子供たちが笑うように、「宿屋仇」の侍も三度目には、町人二人に報復します。その報復が寄席の聴衆に笑って受け止められるために、紛郎兵衛と似多八は、性懲りもなく騒ぎを間歇的に起こす役割を担っているのです。

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【翻字】
 紛郎「マア乃公(おれ)ア自慢するぢやアないが、お前と斯(か)うやツて
マア久しう彼方此方(あつちこつち)を旅もして、一杯の酒も飲合(のみあ)うて居(ゐ)るけ
れども、真実お前に話をするのは今夜初めてぢやが、乃公(おれ)の
色事をした事をお前に聞かしてやるから、喫驚(びつくり)するナ 似多「紛
さん、如何(どう)いふ色事ぢや 紛郎「サア人をば二人殺して金を三百
両取ツて、今年で三年になるが、誰(だあ)れも知りやアせぬ、貴様
でも知るまい 似多「知らぬなア、何日(いつ)の事ぢやエ 紛郎「丁度今で
足掛(あしかけ)三年前のことだ 似多「ムゝウ 紛郎「それ乃公(おれ)は高槻の伯父貴の
所へ暫く放蕩(ごくどう)の揚句に厄介になツて居た事があるだらう 似多「
違ひない、ムゝそんな事があツたあツた 紛郎「その時伯父貴の宅(うち)
は小間物屋ぢや 似多「ムゝ 紛郎「伯父貴が身体(からだ)が不快(わる)いものや依(よ)
ツて、紛、貴様は乃公(おれ)の代りに荷廻りをして呉れと、マア斯(か)
う云ふやうなことで、それから伯父貴の代りに荷物を担いで、

それでマア小間物のお得意廻りをしたのぢや、すると高槻の
御家中で、小柳彦九郎といふお方があツたのだ 似多「成程 紛郎「
それへベツタリ荷廻りに這入ツて居たところが、或日の事だ
ツた、今日(こんにち)は何ぞ御注文はございませんかと言ツて、荷を背
負ツて宅内(うちら)へ這入ツて行くと、下女(をなごし)にお咲(さき)ツて奴がある、オ
ウこれは小間物屋さんですか、何卒(どうぞ)此方(こちら)へといふので、マア
荷を下(おろ)した、ところが下女は奥室(おく)へさして行くと、暫時(しばらく)して
出て来て、アノ小間物屋さん、此間(こなひだ)うちから奥さんがお前さ
んのお出(い)でをば強(ひど)う憧(こが)れて待ツてお在(ゐ)でなすツた、何卒(どうぞ)此方(こちら)
へお通りと斯(か)ういふので、それから乃公(おれ)は座敷へズツと通ツ
たんだ、すると奥さんは、小間物屋、この中(ぢう)は根(ねつ)からお出(い)で
がなかツたが、妾(わたし)はお前の来るのを待ツて居ました、サア、
最小(もつ)と此方(こちら)へお寄り、ヘエ、何か御注文がございますのでと

斯(か)う言ツたら、お前に少し注文もあるけれども、お前酒(さゝ)は飲(い)
けるかエと、こないに仰(おつ)しやるから、ヘエ、私(わたくし)は子供の間(あひだ)に
は、赤蛙(あかゞへる)やいぼたの虫は食べた事がありますが、未(ま)だ笹は食
べた事がございませんと斯(か)う言ツたら、オヤ粋(すゐ)な事を言ふ小
間物屋ぢや、酒(さゝ)を飲(あが)るかといふのは、お酒を飲むかといふの
ぢや、ヘエ、少々は戴きます、それではお咲(さき)、お酒を此方(こつち)へ
持ツてお出でと、これからチヨイと山海の珍味といふ奴で、
マア彼(あ)の辺は生魚(なまもの)は自由にならぬけれども、根がお武士(さむらひ)の宅(うち)
ぢや、中々珍しいお下物(さかな)で、チヨイと御酒(ごしゆ)を頂戴したツて奴
ぢや、するとナ奥さんが、小間物屋、妾(わたし)がお酌をしやうかと
いふんで、お酌をして下すツた、お咲、用事があツたら手を
拍(たゝ)く依(よ)ツて、彼方(あちら)へ行きやツてな事になツてナ、私(わたし)と奥さん
と二人限(ぎ)りぢや、盃をば戴いて飲んで居たが、最(も)う奥さん沢

山でございます、モウ一杯お飲み、お前が飲めにやア妾(わたし)が助(す)
けて進(あ)げると言ツてナ、私(わたし)が半分程飲んだ酒を、奥さんが妾(わたし)
が助(す)けて進(あ)げやうと仰しやツて、キユキユキユーと飲んで、
斜眼(し?め)でニタツと笑ひながら、小間物屋、最少(もそつ)と此方(こちら)へお寄り
ツてな事でナ、乃公(おれ)の手をキユーと握りなすツた、ムゝウ、
こりやア稀代(きたい)な工合(ぐあひ)と思ツたんだ、すると奥さまが、お前に
注文する物がある、一寸此方(ちよつとこちら)へ来てお呉れと、私の手を引張
ツて、奥室(おく)へ伴れて這入ツた、すると奥室には絹夜具(きぬやぐ)のお寝(と)
床(こ)が取ツてあツて、さうして遂に可怪(おかし)いところから情を結ん
だんだ、

【語釈】
・いぼたの虫…不詳。中戸川吉二の小説「いぼたの虫」に、「背中の部分がイボイボして、毳々しい緑色で彩られた一寸五分位な、芋虫を剥製にしたやうなもの…『これはイボタの虫と申しましてな、煎じて飲みますと、たいへんに効能のあるせきどめ薬でありまして』」とある。
・斜眼(しりめ)…ルビ不鮮明(特に「り」)。「しりめ」は「目だけを動かして、横または後方を見ること。目尻の方で見ること。横目。ながしめ」。
・稀代(きたい)…不思議なこと。奇怪なこと。

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【解説】
 今度は紛郎兵衛が似多八に、自分が三年前に高槻でしたという色事の体験談を話し始めるくだりです。分量が多いため、ここではその前半部分だけですが、概略は冒頭で既に「人をば二人殺して金を三百両取ツて、今年で三年になるが、誰れも知りやアせぬ」と語られています。
 色事というよりも殺人ですから、他人に口外できる内容でないことは似多にもわかったでしょう。「放蕩の揚句に伯父の所へ厄介になっていた時の事」という設定も、似多八の色事話と同様であり、両者の話が共に、座興のための虚構であることを示唆しています。
 現行版「宿屋仇」とは、奪った金髙や下女の有無など細部に違いはありますが、小柳彦九郎という侍の奥方に一方的に誘惑され、酒も入り情交したという大筋は同じです。明らかに芝居がかった現行版「宿屋仇」に比べ、本書の古形「宿屋仇」はより日常的でリアリティを重視した演出になっています。

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【翻字】
で、一杯飲んで居るものだから、グウーツと寝込ん
で仕舞ツた、所へさしてこの小柳彦九郎といふお方の弟に、
大之進(だいのしん)といふ仁(ひと)がある、大きな男で、大小刀(だいせう)立派に横(よこた)へて、
アゝ姉者人(あねじやひと)、兄者人(あにじやひと)の不在中(るすちう)のお見舞でございます、姉者人

姉者人、と呼ばゝツたんだが、此方(こつち)も寝入ツて仕舞ツたから
返事をしなかツたと見える、すると襖をガラリと開けて、そ
の大之進といふ仁が這入ツて来た、枕許にスツクと立ツて、
ヤア姉者人、兄者人の不在中(るすちう)に不義淫(ふぎいたづ)らなどとは甚だ不都合
不義の相手は小間物屋、其処(それ)へ直れ手討に致すと、長い奴を
推乱離(ずらり)と抜いて、今や手討にならうといふ所から、驚いたナ
似多「如何(どう)した 紛郎「それから最(も)う人間て者は度胸の坐るもので
側(そば)に在る一刀を以て、乃公(おれ)も敵対(てむかひ)をしたのだ、丁々発矢(ちやうちやうはつし)とや
り合ツたけれども、何しろ先方(むかふ)は武士(さむらひ)、此方(こつち)は町人、こりや
ア迚(とて)も叶はぬと思ツたところから、ツーイツと庭へさして乃(お)
公(ら)ア飛んで下りたんだ 似多「ムゝ、それから如何(どう)した 紛郎「それ
から庭へ飛んで下りて向(むか)ふへ迯(に)げやうとする奴を、その大之
進て奴が追駈(おつか)けて来て、櫞側(えんがは)の所から紺足袋を穿(は)いて居たの

で、滑ツて落ちをツた、さうして持ツてた刀ア向(むか)ふへ飛ばし
て仕舞ツたんだ 似多「不器用な奴だなア 紛郎「飛ばした刀を乃公(おれ)
が拾(ひろ)ツて、汝(うぬ)の刀で汝(うぬ)の首と、その大之進て奴をザクーリ、
乃公(おれ)が首を刎ねてやツた 似多「ムゝン、さうして如何(どう)した 紛郎「
すると奥さんが、コレ小間物屋、弟を手にかけお前と斯(か)うい
ふ不義淫(いたづ)らをしたからには、迚(とて)も此処(こゝ)に居ることは出来ぬ、妾(わし)
を伴(つ)れて何処(どこ)ぞへ落ちてたもひのと、斯(か)う仰しやツた、依(よ)ツ
て畏まりました、仮令(たとひ)この地で添へねば唐天竺までもお供を
致します、そんなら汝(わがみ)妾(わし)を伴(つ)れて何処(どこ)までも落ちてたもるか
心得ましたといふので、身支度をすると、奥さまは手筥(てばこ)から
三百両といふ金を取出して、サア紛郎兵衛、此金(これ)をお前持ツ
て行ツてお呉れ、畏まりましたといふので、三百両胴巻に入
れてあるのを、確(しつ)かり乃公(おれ)が肌に着けて、サア奥さん、お出(い)

でなさいましと、手を引いて裏口から落ちて行かふといふ、
一足先へ奥さんをやり過(すご)して置いて、背後(あと)より乃公(おれ)が抜く手
も見せず、真二(まつぷた)つにスパーリ 似多「エゝーツ 紛郎「サアこれが似
多、お前等(ら)ならば女(をなご)に助倍(すけべい)根性があるから、未練といふ奴を
残すだろら、この女(をなご)を伴(つ)れて乃公(おれ)が駈落をして見い、女(をんな)とい
ふ者は口の慎(さが)ないものだから、ソレ、乃公(おれ)が他(ほか)で女(をなご)でも拵へ
て、詰(つま)らない事を仕出しをると、そこで密通(まをとこ)をした事が発覚
をして来る、然(さ)うなると乃公(おれ)の身上(みじやう)に関るやうなことになツて
来るから、此処(こゝ)は思切(おもひき)り所(どころ)だと、女(をなご)に未練がないから、その
奥さんを殺して仕舞ひ、三百両の金を取ツて、高槻をば乃公(おら)
ア逐電をしたのだ、それが今年で三年になるが、乃公(おら)アお前
に話をするのが始めてだ、ナア、こんな事は世間に誰(た)れ知る
者はあるまい 似多「成程兄弟、お前は中々大した色事師だ 紛郎「

如何(どう)ぢやエ、色事師は紛郎兵衛さんに限るぢやらう 似多「えら
い奴ぢや、ドツコイサノ、えらい奴ぢや」 又踊り始めました

【語釈】
・ガラリ…「リ」不鮮明。
・丁々発矢…原文「丁と発矢」。二字目が送り字であるべきことはルビからも明らかであり、訂正した。
・斯(か)ういふ…原文「斯(か)ういて」。明らかな誤植であり、訂正した。
・汝(わがみ)…「わがみ」は「二人称の人代名詞。親しみの気持ちで、目下の者にいう。そなた。おまえ」。
・残すだろら…誤植は明らかであるが、「残すだらう」の他、「残すだろが」等、他の可能性も排除できず、単純な訂正は不可能。
・他(ほか)で…ルビ不鮮明。
・身上(みじやう)…「みじょう」は「身の上」。
・所(どころ)…ルビ不鮮明(特に「ど」)。

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【解説】
 紛郎兵衛の色事の体験談の後半です。現行版「宿屋仇」と大筋は同じですが、細部はかなり異なります。特に弟の大之進の行動は、本書の古形「宿屋仇」では、かなり詳しく語られています。弟大之進が不義を現認するいきさつを、現行版は全く説明していないのに対し、本書の古形版ではくわしく説明されています。
 その反面、古形版では、現行版にはない無理も生じています。それは、下女のお咲の存在です。お咲がいた以上は、紛郎兵衛は捜査対象になっていたに違いなく、「こんな事は世間に誰れ知る者はあるまい」などとのんきな事が言えるはずがない、という点です。死んだ二人以外に当日は誰もいなかったという設定の現行版は、その無理をうまく解消しています。
 無論、現行版にも不自然な点は残っています。なぜ紛郎兵衛が、彦九郎の弟の名前(現行版は「大蔵」)や刀の技量(「一刀流の名手」)まで知ってるのかという点です。
 ともあれ、紛郎兵衛の話は似多八を喜ばせ、似多八は再び踊り始めてしまいます。この三度目の騒ぎが、とうとう侍を怒らせてしまいます。

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