【翻字】
跡に淀屋辰五郎は供の久七と貌(かほ)
見合(みあは)せ 辰五「久七 久七「旦那様 辰五「何(な)んとマア思ひも寄らぬ
三千両 久七「有難い事でござりましたナア、旦那様最前(さつき)町
跡に淀屋辰五郎は供の久七と貌(かほ)
見合(みあは)せ 辰五「久七 久七「旦那様 辰五「何(な)んとマア思ひも寄らぬ
三千両 久七「有難い事でござりましたナア、旦那様最前(さつき)町
人これへ来いと云はれた際(とき)は、私(わた)しア如何(どう)なるかと心配
致しました 辰五「サア私(わ)しも何(なん)ぞ粗相でも出来たかと一時
心配であツた 久七「真個(ほんと)に彼(あ)の際(とき)の驚愕(びつくり)でいまだに睾丸(きんたま)こ
んな処へ転居…… 辰五「ハゝゝゝ、併(しか)し久七此(この)屏風が此処(こゝ)
に在(あ)ツたのが私(わ)しの運の好(よ)いのぢや 久七「左様です、併(しか)し
旦那、此(この)屏風が仮令(たと)へ此処(こゝ)に在(あ)りましても、此(この)画(ゑ)の由来(いはれ)
を知らなかツたら、三文にもなりませぬが、貴郎(あなた)が事物(ものごと)
にお心懸けがお宜しいからです 辰五「久七、シテ見りやア
何事(なん)でも知らぬ事は聞いて置きさえすりや損は行かぬナ
ア 久七「左様でござりますとも 老爺「モシ旦那様只今彼処(あれ)に
て聞いて居(を)りましたが、此(この)鳫金(かりがね)が三千両に成りましたか
辰五「なんノ貸金(かしがね)が三千両ぢや
致しました 辰五「サア私(わ)しも何(なん)ぞ粗相でも出来たかと一時
心配であツた 久七「真個(ほんと)に彼(あ)の際(とき)の驚愕(びつくり)でいまだに睾丸(きんたま)こ
んな処へ転居…… 辰五「ハゝゝゝ、併(しか)し久七此(この)屏風が此処(こゝ)
に在(あ)ツたのが私(わ)しの運の好(よ)いのぢや 久七「左様です、併(しか)し
旦那、此(この)屏風が仮令(たと)へ此処(こゝ)に在(あ)りましても、此(この)画(ゑ)の由来(いはれ)
を知らなかツたら、三文にもなりませぬが、貴郎(あなた)が事物(ものごと)
にお心懸けがお宜しいからです 辰五「久七、シテ見りやア
何事(なん)でも知らぬ事は聞いて置きさえすりや損は行かぬナ
ア 久七「左様でござりますとも 老爺「モシ旦那様只今彼処(あれ)に
て聞いて居(を)りましたが、此(この)鳫金(かりがね)が三千両に成りましたか
辰五「なんノ貸金(かしがね)が三千両ぢや
鳫風呂(がんぶろ) 畢
【語釈】
【解説】
黄門一行が立った後、安堵して語り合う辰五郎・久七に茶店の老爺が話しかけ、辰五郎がそれにこたえる中で、落語のサゲとなります。