十牛歌は、十牛図を詠んだ十首の和歌で、江戸時代前期、寛文年間(三年から七年)の成立で、作者は後西院、道寛・道晃両法親王、権大納言烏丸資慶・飛鳥井雅章・日野弘資・中院通茂、権中納言平松時量、裏松資清、白川雅喬です。
十牛図は禅画として、また仏教における悟りへの道程の図式化として有名ですが、それを和歌に詠んだ十牛歌は知られていません。「国文学研究資料館の館蔵和古書画像のためのテストサイト」で偶然に写本を見つけ、その存在を知りました。これから一首ずつ、相国寺蔵版・周文筆の十牛図とともに紹介していきます。