校訂懐硯(1914年刊)WEB目次
巻一
一 二王門の綱
二 寺{*1}を取る昼舟の中
三 長持には時ならぬ太鼓
四 案内知つて昔の寝所
巻二
一 後家に成り損なひ
二 付けたき物は命に浮け桶
三 比丘尼に無用の長刀
四 鼓の色に迷ふ人
巻三
一 水浴びせは涙川
二 龍灯は夢の光
三 気色の森のこけ石塔
四 枕は残る曙の縁
巻四
一 大盗人入相の鐘
二 憂き目を見する竹の世の中
三 文字据わる松江の鱸
四 人真似は猿の行水
巻五
一 面影の似せ男
二 開けて悔しき養子が銀箱
三 居合も騙すに手無し
四 織物屋の今中将姫
五 御代の盛りは江戸桜
校訂者註
1:底本は、「照(てり)」。『西鶴諸国ばなし 懐硯』(1992)語釈に従い改めた。
校訂懐硯(1914年刊)WEB凡例
1:底本は『西鶴文集』(幸田露伴編 博文館 1914年刊 国会図書館デジタルコレクション)です。
2:校訂の基本方針は「本文を正確にテキスト化しつつ、現代の人に読みやすくする」です。
3:底本のふりがなは全て省略し、底本の漢字は原則現在(2025年)通用の漢字に改めました。
4:繰り返し記号(踊り字)、合字(合略仮名)等は、漢字一字を繰り返す「々」を除き、原則文字表記しました。
5:句読点、濁点半濁点および発話を示す鍵括弧は適宜修正、挿入し、改行も適宜しています。
6:かなづかい、送り仮名は、文語文法に準拠し、適宜改めました。
7:校訂には『懐硯 翻刻』(箕輪吉次編 おうふう 1995)、『西鶴諸国ばなし 懐硯 決定版 対訳西鶴全集5』(麻生磯次、冨士昭雄著 明治書院 1992)を参照しました。
8:底本本文の修正のうち、必要と思われるものは校訂者注で示しました。但し、以下の漢字は原則として、他の漢字あるいはかな表記に変更しました。
漢字表記変更一覧
複数篇にわたるもの(五十音順 但し現代仮名遣い)
ア行
明く・虚く→開く・空く 揚ぐ→上ぐ 未明・暁→明け 跡→後 歩行→歩く 壱→一 入る→要る 中→内 発る→起こる 音づる→訪る 各→各々 俤→面影 己→俺カ行
返す・還す・返る→帰す・帰る 貌→顔 鎰・鑰→鍵 匿す・秘す・匿る→隠す・隠る 各別→格別 影・陰→蔭 累なる・累ぬ→重なる・重ぬ 借す→貸す 替はる・代はる→変はる 義→儀・議 糺明→糾明 気色→景色 烟→煙 礫→小石 意→心 詞→言葉 道理→理 比→頃サ行
向→先 閉す→鎖す 噪ぐ→騒ぐ 姿→品 容姿→品形 暫時→暫し 拾→十 身体→身代 清ます・清む→澄ます・澄むタ行
松火→松明 慥か→確か 扣く・擲く→叩く 頼り→便り 鵆→千鳥 攫む・抓む→掴む 附く→付く 釣る→弦・吊る 手段→手立てナ行
中→仲 詠む→眺む 存命ふ・長命ふ→長らふ 抛ぐ→投ぐ 泪→涙 列ぶ・比ぶ→並ぶ 窅く→覗くハ行
筥→箱 初む→始む 始め→初め 咄・咄す→話・話す 放る→離る 旱・旱魃→日照り 独→一人 隙→暇 二度→再び 不便→不憫マ行
混じる→交じる 雑ず→交ず 亦→又 見世→店 心→胸 村→群・叢 廻らす・廻る→巡らす・巡る 無義道→没義道 物・者→者・物ヤ・ラ・ワ行
安し→易し 娌→嫁 終夜→夜もすがら 私→我が 我→私 破る→割る
上記以外(篇毎 登場順)
1-1 籠む→込む 香→匂ひ 閉ぐ→塞ぐ 麁末→粗末 拍つ→打つ 刃→刀
1-2 骨牌→歌留多 夕辺→夕 祖母→婆 詫言→詫び 牧方→枚方 直→値 念比→懇ろ
1-3 純子→緞子 衣裏→襟 溜まる→堪る 艶し→優し 曲者→癖者 取る→盗る 締む→閉む 傘→唐傘 稟→連れ 相口→匕首 昨→昨日 養む→育む 祥→幸ひ
1-4 猟→漁 毎→事 臥→寝 悪し→憎し 差す→刺す
1-5 扇子→扇 由縁→由 鬠→元結 嚥む→呑む 表→面 辱し→恥づかし 容→姿
2-1 寛→豊か 幼少→幼し 報す→知らす 灯火→灯り 旗→幡磨→臼 一端→一旦 六ケ敷→難し 懐く→抱く 仕形→仕方
2-2 蜑→海人 宮井→宮居 雹→霰 新艘→新造
2-3 映写る→差し映る 組戸→編戸 手束ぬ→束ぬ 何某→何がし 気色→気配 堕す→落とす 採る→取る 潸然→涙ぐむ 覚す→思す 美児→美少 打つ→討つ 穿義→詮議
2-4 未明→曙 登る→昇る 廓→郭 振る→触る 涛→波 羅→薄 揚巻→総角 習慣→習ひ 越度→落度 性→生
2-5 舂く→搗く 豹→藪 急がし→忙し 扚→笏 螽→蝗 住寺→住持 橈→櫂
3-1 白昼→真昼 憎し→難し 消つ→経つ 嫁る→嫁入る 仕廻→仕舞
3-2 睫→瞼 推す→押す 釣火→漁火 甲→兜
3-3 食→飯 腥→生臭 断ふ→絶ふ 堀→掘り 輪回→輪廻 詐る→偽る 了簡→料簡 巨燵→炬燵 偽→嘘 否→嫌 黄泉→黄泉途 本腹→本復
3-4 形→影 漸々→漸う 椙→杉 抽く→抜く 起つ→立つ 媒介→仲立ち
3-5 鞋→沓 昔時→昔 嫁る→娶る 病ふ→煩ふ 今際→今は 進む→勧む 姥→乳母 幼少し→小さし 梳げ→髪上げ 縊る→括る 脚布→湯具 工む→巧む 咒詛ふ→呪ふ 叫く→喚く
4-1 生活→過ぎはひ 粮→糧 虚→仮 如在→如才 放す→外す 脱く→抜く 自→己
4-2 岩見→石見 鬘→葛 食→餉
4-3 四阿屋→東屋 𥻘→州浜 姙む→妊む 姨→叔母 所思→思はく 所謂→所以 酬→報い
4-4 煮る→煎る 忍ぶ→偲ぶ 競ぶ→比ぶ
4-5 朸→㭷 往く→行く 跡方→跡形
5-1 表る→現る 塒→寝ぐら 越→来し 莢→鞘
5-2 虚→空 這入る→入る 商品→商ひ物 節角→折角 貫く→突く
5-3 律気→律義 論→争ひ 風流・達→伊達 抵抗→楯突く 顔→面 面→顔
5-4 若男→若者 島→縞 醜し→見苦し
5-5 曼幕→幔幕 裙→褄 弘む→広む
なお、底本には現代では差別的とされる表現がありますので、その点、ご注意ください。
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